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再生可能エネルギーの普及政策にはどのような制度がある?

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現在、日本で活用するエネルギー資源として、その大部分を石油や石炭等の化石燃料に依存しています。しかし、化石燃料は資源が有限であることに加え、その多くを輸入に頼っています。
 
そのため、原油価格が変動するリスクもありますし、また、何らかの事情で輸入が途絶えるリスクも残されています。
 
なにより、化石燃料を燃焼することにより温室効果ガスが発生し、地球温暖化を促進してしまうことにも繋がります。

 

このように、様々なリスクを抱える現在のエネルギー状況に対応すべく、日本では再生可能エネルギーを中心としたエネルギー社会に転換しようと試みています。

 

しかし、再生可能エネルギーを活用した発電事業は当初高いコストがかかりやすいことや、発電事業の経営上の不透明なリスクも抱えがちになることから、国の普及政策による事業の後押しが必要となります。
 
今回の記事では、日本が執り行った再生可能エネルギーの普及政策について、まとめてみたいと思います。

 

 

固定枠制

電気事業者に、定められた量の再生可能エネルギーを利用することを義務付けた制度です。
 
別称として、RPS(Renewable Portfolio Standard)制やクオータ制とも呼ばれ、日本では2002年に「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」として策定され、翌年施行されました。

 

再生可能エネルギーの対象として、太陽光、水力、風力、地熱、バイオマスが挙げられており、電力会社はそれらの電力源を活用して発電するか、または買い取ることが求められます。
 
この制度により、再生可能エネルギーの利用拡大や低コスト化が期待されていました。
 
しかし、同制度では電力会社への負担が集中することになり、また目標値も低めであったこと等の影響から、現実には期待通りの効果が現れませんでした。

 

そして、2012年には固定価格買取制度が始まるとともに固定枠制は終了しました。

 

 

固定価格買取制度

固定価格買取制度とは、再生可能エネルギーの発電事業者や各家庭が太陽光発電等で生み出したエネルギーを、既存大手電力会社が一定の価格で一定期間買い取るように定めた制度であり、2012年に始まりました。

 

固定価格買取制度の対象となるエネルギーは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの5つとなり、価格は定期的に改定されます。買い取られた再生可能エネルギーは、火力発電等よりも優先的に使用されます。
詳しくはこちらへ>>

 

 

環境税

地球温暖化対策の一つとして温室効果ガスを抑制することを目的に定められた税制で、税金は化石燃料自体に課されます。

その税額は、化石燃料中の炭素量に応じて求められます。
 
化石燃料に税が課されることから、再生可能エネルギー等、CO2排出量の少ないエネルギー資源活用へと促す狙いがあります。
 
また同税制により、地球温暖化対策のための財源を得ることも目的とされています。

 

環境税は、一般に「温暖化対策税」や「炭素税」とも表現されることがあり、日本では、2012年10月に「地球温暖化対策のための税」として施行され、以降段階的に税率が改定されます。
 
石油、ガス、石炭を例に上げると、段階的に下記の税額となります。

 

2012年 2014年 2016年
石油 250円/kl 500円/kl 760円/kl
ガス 260円/t 520円/t 780円/t
石炭 220円/t 440円/t 670円/t

 

海外の再生可能エネルギー普及と電気代の状況は?

 
現在私はオーストラリアに滞在しているため、オーストラリアではどのように再生可能エネルギーの普及が行われているのかということを調べてみました。
 
2011年にThe Energy Users Association of Australia (オーストラリア・エネルギー利用協会)が行った調査によると、調査対象の92の地域(35か国)中オーストラリアの7箇所もの地域が上位16位に含まれており、どうやらオーストラリアの電気代は世界的に見てかなり高いということが分かります。
 
ではなぜオーストラリアの電気はそれほど高いのかというと、これには電力自由化と再生可能エネルギーの普及が関係しているようです。
 
元々、オーストラリアは石炭資源が豊かな地域であり、それによって電気代も格安で済んでいました。しかし、石炭を原料とした火力発電は環境への悪影響が大きく、国際会議にて他国から指摘を受け、再生可能エネルギーへと移行することとなりました。
 
そして現状として、発展途上の再生可能エネルギーの設備建設等にお金がかかり、電気代も上がっているということです。電気代が上がることによってそれを不満に思う国民もいるようですが、オーストラリアは環境に優しい生活を心がけている人も多いため、私自身、目前の電気代よりも未来の環境を重んずることが大切だと実感しました。

 

まとめ

今回ご紹介したように、近年の日本では再生可能エネルギーを普及するための様々な施策が国によって検討され、そして施行されてきました。

中には期待された効果が現れにくいケースもありますが、地球温暖化対策のために制度調整は随時行われています。

 

また、環境税のように国民に経済的な負担が求められることもありますが、そのことにより再生可能エネルギーが広く世の中に普及し、そして結果的に低コストで低リスクなエネルギー社会になることが期待できます。

 

再生可能エネルギーを普及させるための政策について、本記事がご理解の助けとなれば幸いです。

 

(参考)

・環境省公式ウェブサイト「地球温暖化対策のための税の導入」
http://www.env.go.jp/policy/tax/about.html

2016/11/19

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