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再生可能エネルギーの長所と今後の課題

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日本の電力の消費量は高度経済成長期以降大幅に伸び、今では中国、アメリカに次いで第3位の電力消費国となっています。東日本大震災後、省エネを促進する動きもあり顕著な電力消費の増加は見られませんが、やはり未だに日本は電気に大きく頼っており、今後は使用量の増加も見込まれます。

 

 

そして、そんな日本が注目しているのが自然界に豊富に存在する再生可能エネルギー。化石燃料のように資源が枯渇することはなく、また、自然豊かな日本列島にはエネルギーとなる源が沢山あることから、再生可能エネルギーを活用した発電に期待が持たれています。

 

 

しかし、再生可能エネルギーを活用するにはまだいくつかの課題が残されており、今後の技術革新が求められているのも事実です。そこで、今回の記事では、再生可能エネルギーが持つ長所はどのようなものか、そして今後の課題としてどのような短所を克服すべきなのかを整理してみたいと思います。

 

 

再生可能エネルギーって?

再生可能エネルギーとは石油や石炭などの天然枯渇エネルギーとは異なり、地球上の自然界に存在しているエネルギーのことです。再生可能エネルギーにも様々な種類があり、今後増える可能性もありますが、今の所注目されているものとして

  • 太陽光
  • 風力
  • 水力
  • 地熱
  • 太陽熱
  • 大気中の熱その他の自然界に存在する熱
  • バイオマス(動物性に由来する有機物)

等の再生可能エネルギーが挙げられます。

ちなみに、「新エネルギー」という単語を耳にすることもありますが、これは「再生可能エネルギーのうち、技術的には実用可能な段階にあるが、経済的な理由から普及が進んでいないエネルギー」のことを指しています。太陽光発電や風力発電もこれに含まれます。

 

 

再生可能エネルギーの長所

再生可能エネルギーの持つ長所は様々な点が挙げられますが、大きく分ければ、

  • 資源枯渇のリスクがない
  • どこでも活用できる
  • クリーン
  • 建設しやすい設備

ということにまとめることができます。

 

資源枯渇のリスクがない

現在、日本で主に活用しているエネルギー源は、埋蔵量に限界がある石油や石炭といった化石燃料です。しかも、それらを海外からの輸入に頼っています。そのため、資源が枯渇するリスクに加えて、輸入先地域の政治的あるいは社会的な混乱により輸入が途絶える懸念もあります。

 

一方で、太陽光などの再生可能エネルギーは身近な自然界に存在するものであり、枯渇する心配はなく、また身近にあるものだけにエネルギー供給が途絶えることはありません。

 

どこでも活用できる

日本列島は、火山帯に属することから地熱を活用でき、そして水資源が豊富な自然を有しています。また、自然が豊富であることから生物資源(バイオマス)を活用する機会が多く、そして太陽光や風力は至るところで利用できます。調達が容易でエネルギー自給力も高まります。また、ビルや自宅でも発電が可能です。

 

このように、広く多くの場所で簡単にエネルギー源を得ることができることも、再生可能エネルギーの長所の一つです。

 

クリーン

再生可能エネルギーは、化石燃料のように温室効果ガスであるCO2を発生させることはないため、地球環境に優しいエネルギーと言えます。また、化石燃料の焼却に伴う灰や、原子力活用後の放射性廃棄物といった有害物質を含む廃棄物を生み出しません。このように、再生可能エネルギーはクリーンなエネルギーと言えます。

 

建設しやすい設備

火力や原子力といった従来の発電設備と比較すれば、再生可能エネルギーを活用した発電設備は規模が小さく、その分、建設工期も短く済みます。また、小型の設備を各所に分散化させることにより、一部の発電設備に問題が発生して停止しても、エネルギー供給ストップといった悪影響を最小限に抑えられます。また、シンプルな構造の設備が多く、メンテナンス費用を安く抑えられることも長所と言えます。

 

 

再生可能エネルギーの今後の課題

以上のように、再生可能エネルギーには、日本国内でのエネルギー供給に目覚ましい長所があるように思えますが、それでも解決すべき課題としていくつかの短所もあります。

 

主な短所として、

  • 発電量が少ない
  • 季節、時間、気候に左右されやすい
  • 環境に馴染まない場合がある

といったことが挙げられ、解決すべき課題として残っています。

 

発電量が少ない

現状では、再生可能エネルギーのエネルギー変換効率は、火力発電等の既存の発電よりも低いことが短所の一つです。

例えば、一般的な火力発電のエネルギー変換効率は40%前後と言われていますが、太陽光発電の場合は約10%、より変換効率の高い風力でさえも約25%となっています。地熱やバイオマスはさらに低いエネルギー変換効率です。再生可能エネルギーによって生み出せる発電量は、火力や原子力と比較すれば僅かであることが現状です。

 

季節、時間、気候に左右されやすい

自然のエネルギーを活用するため、季節や時間帯によっては十分な発電量が得られない可能性が有ります。

例えば太陽光発電の場合は、原理的に太陽光が当たらなければエネルギーを得ることはできません。また、風力に関しても、台風の季節には被害を防ぐため発電設備を停止せざるを得ません。このように、自然環境の状況に応じては期待するエネルギーを得られないという短所があります。

 

環境に馴染まない場合がある

再生可能エネルギーの活用のためには、太陽光パネルや風を受けるプロペラなどの発電設備を設置する必要があり、規模が大きくなるほど、その土地の景観に馴染みにくい場合があります。また、国によって規制された土地(記念公園等)には発電設備を設置することはできず、そのため、設置には制限がかかる場合があります。

 

その他、再生可能エネルギーの種類によっては騒音や振動などが気になる場合があります。

 

 

まとめ

今回は、再生可能エネルギーの持つ長所と、主な短所についてご紹介しました。従来の化石燃料や原子力には見られない長所から、再生可能エネルギーの将来性に期待が持てます。

 

しかし、一方で再生可能エネルギーには短所があることも事実です。短所については今後の技術革新によって解決可能なものもあり、例えば発電効率については、東大のフレキシブルCNT有機薄膜太陽光電池等に見られるように、近年目覚ましい進歩を遂げています。

 

また、気候に左右されやすいという再生可能エネルギーの特徴も、技術革新が進んでいる蓄電池と組み合わせることで対応が可能になるでしょう。
このように、今後の再生可能エネルギーの活用は、技術の進歩とともに期待感も高まっていくことと思われます。

 

【参考】
関西電力公式ウェブサイト(各種発電方式別に見たエネルギー変換効率) http://www.kepco.co.jp/corporate/energy/water_power/shikumi/index.html

2016/10/16

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