太陽光発電は、もう10年以上注目され続け少しずつではありますが発電事業としても大きくなってきています。一方で思っているほど拡大しているとはいえず、まだまだ火力や原子力に占める割合が大きいままです。思っているほど主要なエネルギー源になりえていないのが現実としてあり、「太陽光発電は終わった」という声もチラホラと聞こえてきます。
太陽光で発電した電気は、自宅で全て使わなかったら電力会社に売ることができます。しかしこの価格は毎年政府によって一定額が決められ「固定買取価格」といいますが、この値段は年々安くなってきているのです。
2009年は48円/kwhだったのに、順調に下がっていき、2015年は33円/kwh、2016年は31円/kwhとなりました。今後24円/kwhにまで下がっていくと予想されていますが、設置費用のことを考えると儲けは出るのでしょうか…?
しかしホントに太陽光発電は終わったのでしょうか?いいえ!太陽光発電はまだまだ発展途上なのです。火力や原子力もそうであったように、まだまだ歴史が必要なのです。
今後、原子力発電所の縮小は避けられません。放射能のリスクもあり、また国の方針としても原子力発電所は廃炉の方向でほぼ決まっています。となると、現在のところ安定した電力源は火力だけになってしまうのです。一つだけの電力源に依存するのは停電のリスクが高く、他のエネルギー源も必要となります。
他のエネルギー源で最も先に進んでいる一つが太陽光なのです。技術の進歩により、大きな面積でなくてもそれなりの電力を供給できるようになってきています。効率も上がりつつあり、今や一般の一戸建てにも活用されるようになってきました。一昔前では広大な土地が無いと、必要な分の電力源を確保できない状態でした。1枚当たりでわずかな電力しか生み出せず、また費用も莫大なものでした。なので太陽光発電は一部の限られたところしか活用できないものとされていたのです。
現在はどうかというと、一個人でも設置できるようになってきており、以前に比べてハードルが下がっていると言えます。価格は決して安いモノとは言えないですが、それでもある程度まとまったお金があれば設置が可能な状態になっているのです。
とはいえ、それでも大きく普及してるとは言えないという側面もあります。全家庭をカバーするだけの規模に至っていないからです。爆発的には増えていないということから、「太陽光発電は終わった」という声があるのかもしれません。実際、まだまだ一般に浸透しているとはいえず、一部では太陽光で発電された電気が家庭に送電されているところもありますが、一部という枠を破っていないのが現実と言えるかもしれません。ですが、着実にその需要を伸ばしているのもまた事実です。
太陽光発電は原子力を超え、火力と同程度のシェアになれるポテンシャルを秘めています。なぜかというと、火力同じくらいに安定供給が見込める電力源だからです。太陽光は日中の間はいつもどこでも降り注ぐエネルギーです。ということでは、設備さえ整えばどこでも太陽光の恩恵にあずかることができます。
雨天のときはそのエネルギーは小さくなりますが、それでも太陽光がゼロになることはないのです。ということは、日中の間は安定的に電力源を確保することができるということです。そういう意味では、安定供給が期待できる電力源と言えます。
単純にお金儲けやビジネスチャンスと考えているようでしたら、売電価格が下ることで魅力は少なくなっていきますが、本来の太陽光発電の目的を考えてみると、私達の環境への意識が高まれば高まるほど普及していくと言えそうです。だから太陽光はまだまだこれからなのです。どこまで大きくなれるのか、どこまで広がっていくのか、希望があふれるエネルギーが太陽光なのです。
2016/10/25