国民の再生エネルギーへの関心が、月々日々に高まっています。とくに、2011年の東日本大震災以降から、右肩上がりに注目度が上がっているのです。
そんな中、非常に大きな注目をされているのが電力供給です。震災以降、節電の意識が根付き、無駄な電力消費を避けようという動きは、どこでも見ることができるようになっています。
昼休みは消灯したり仕事の終了時間を早くしたり、エアコンをできるだけ使わないような温度調整を行ったり、ということは多くの会社や個人宅で見かけますね。
そして、同じくらいに注目度が集まっているのが、電力の買取方式です。電力の供給を行っている電力会社が、10kWを超えるような大規模な再生可能エネルギーの新規買取申請について、経済産業省への回答を保留しているのです。
これは電力会社が「このままでは新規買取はできない」というメッセージを、暗に国に対して行っているということです。
このままで行くと、将来的には私たちが負担する電気料金がどんどん値上がりしていくということにつながっています。実は一部ではすでに値上がりが実施されており、生活に影響が出つつあるのです。
こういう背景があり、現在は固定買取方式から変動方式への変更が検討されています。今すぐに大きな影響が私たちの生活に現れるというわけではないですが、将来的には負担が積み重なっていき、不満の声がどんどん大きくなってくるということがありえるのです。
実際に過去事例を紐解くと、ドイツでは過去にそのようなことが起こっています。ときの政権が無視できないほどの大きな不満が渦巻いて、制度変更へと直結するということがありえるのです。
そうならないよう、影響ができるだけ小さいうちに買取方式を変えよう!というのが、経済産業省が検討していることなのです。背景にあるものは
というものがあります。
上記のどれも大事なことであり、疎かにできるものではありません。しかし、これらすべてを電力会社の責任で行うことが難しくなってきているのです。
そういう事情があって、電力会社が新規買取申請について二の足を踏んでいるのです。そして私たちの側からすると、「今よりも電気料金が上がって生活に響くのではないか?」という懸念があるのです。
とはいえ実際のところ、再生可能エネルギーの買取に必要となる経費や負担の増加分を、料金として私たちの負担に転嫁しているかというと、そうとも言えません。電力会社はいつでもどこでも、私たちが安定して電気を使えるように供給することを目的として、ビジネス展開をしています。
つまり、インフラなのです。だから、状況がどうなろうとも安定した電力供給する義務を課せられているのです。
ただ、安定的な供給がまだできていない風力や太陽光といったエネルギー源の拡大や導入を図りながら、さらに安定した電力供給を両立させるには、さらなる設備投資が必要となるのは目に見えています。具体的にどういう負担が増えるかというと、
などです。
これらは将来的に必要となる要素ですが、一気にやろうとしても負担が一気に増えて会社の経営状態に悪影響を及ぼす可能性があります。そして、追加分が電気料金の値上げにつながる可能性があるのです。
そうならないよう、変動方式への移行が検討されています。電力会社も負担が増えるのを望んでいるわけではありません。できるだけ手軽に電力を安定供給することを望んでいるので、負担が増えない買取方式にしたいのです。
だからこそ、電力会社は国に対して買取方式の変更をお願いしているのであり、国もそれに応えようとしているのです。
2015/11/21