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テスラモーターズが発表した家庭用バッテリー、その魅力とは?

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CEOイーロン・マスク氏

出典https://ja.wikipedia.org/

 

 

2011年に発生した東日本大震災をきっかけに、日本では官民ともに、省エネ社会を進めるよう取り組みが強化され続けています。省エネ社会を推進するためには、太陽光発電システム、バッテリー、エネルギー管理システムなど多くの要素技術が必要となります。とりわけバッテリーに関しては蓄電容量が大きいほど高額になりやすく、そのため、バッテリー普及のためにはさらなる低価格化が鍵となります。

 

そのような状況の中、イーロン・マスク率いる米国テスラモーターズ社が、2015年4月30日に、家庭用バッテリー市場へ参入すると発表しました。その魅力的な価格帯により、テスラモーターズのバッテリーは今にいたるまで注目を集めてきました。

 

本記事では、テスラモーターズの家庭用バッテリーとはどれほどの魅力があるのか、イーロン・マスク率いるテスラモーターズとともにご紹介します。これから、家庭用電池を購入することを検討している人は、ぜひとも参考にしてみてください。

 

そもそも家庭用蓄電池とは?

そもそも家庭用蓄電池のことをご存知でしょうか?蓄電池とは、携帯電話やパソコンなどに使われている、何度も充電して使えるバッテリーのことです。家庭用蓄電池は、そのバッテリーの容量を増やし、電池容量が10kW程度のものを意味しています。身近なもので言えば、太陽光パネルで発電をした電気を貯める電池です。家庭用蓄電池がなければ、発電した電気は家庭で使うか売電をするかの選択肢しかありませんが、蓄電池を置いていれば、電気をためることができます。ためた電気は、震災や停電などの非常事態に使うことができるので、非常用電源としての役割も持っています。

 

蓄電池の種類

電池容量が5kWのものから、10kWのものまで様々な種類があります。5kWのものでだいたい90万くらいが相場です。メーカーによってそれぞれ値段や種類が異なり、自分が必要な容量に合わせて選択します。

 

メリット・デメリット

家庭用蓄電池を導入すれば、非常用電源としての役割があるとお伝えしました。災害があった際には、復旧までに長くて1週間はかかります。それまで電気なしの生活は辛いですよね。

 

太陽光パネルが生きていれば、太陽が出ている間電気をためてくれます。夜になってもためた電気を使い、室内で電気を使うことができたり、携帯の充電ができたりと、いざという時にとても役立ちます。また、電気代のプランによっては、時間帯によって電気代が違います。電気代が高い時間帯には、太陽光で発電した電気を使うなど効率的に電気を使い、節約にも繋がります。

 

その一方、デメリットとされているのは、導入コストです。すでにお伝えしたように、5kWのもので約90万円とされています。さらに工事費用も別途かかるため、お金に余裕のある方しか導入はできません。それに加え、寿命も5年〜10年と短いため導入のリスクがあります。ここ最近は、メーカー保証が10年のものも増えてきましたが、10年でコスト回収できるようなプランを事前に作っておく必要があります。

 

テスラモーターズが提供する家庭用バッテリーの特徴

2015年4月30日、米国の電気自動車メーカーであるテスラモーターズが、家庭用バッテリーを販売する旨を発表しました。

 

当時発表された家庭用バッテリーは「Powerwall」と呼ばれる商品であり、太陽光発電システムとの連携も想定されたリチウムイオン電池になります。サイズは130cm×86cm×18cmで、薄型の壁掛けタイプです。

 

価格は10kWhタイプで42万円前後(3500ドル)、7kWhタイプで36万円前後(3000ドル)とされており、設置費等は含まれていないものの、極めて低価格であることが分かります。

 

日本国内で提供されている家庭向けリチウムイオン電池は、数十万円から100万円以上のものが多く、国からの補助金を利用したとしても、Powerwallの方に割安感がありました。

 

また、保証期間も10年(最長20年)であり、長期間の運用が想定されています。

 

コストパフォーマンスに優れたPowerwallが日本国内に普及すれば、価格競争によってバッテリー市場価格の低下に弾みがつくことも期待できます。

 

そして、Powerwall 2が発売

2015年夏に満を辞して出荷されたPowerwallでしたが、後継機である「Powerwall 2」が2016年10月に発表されました。初代Powerwallの2倍のエネルギー密度を怒り、2LDKであれば1日分の電力を供給できるという優れもの。初代よりスペックがかなり改善されています。

 

一番市場を驚かせたのは、リチウムイオンバッテリーとインバーターを内蔵し、蓄積と供給を同時にできるようにしたことです。そして、この発表に合わせて屋根タイルに同化するようなデザインであるソーラーパネル「ソーラールーフ」も発表しました。今までは、バッテリーの充電量を超えてしまった場合、蓄積できず売電しかできませんでした。しかし、Powerwall2を導入すれば、過剰な充電量に届きそうになった場合、家に電気を回すことができるようになったのです。

 

2LDKの家の1日分の電気を供給できるモジュールを持つPowerwall 2ですが、高い耐久性と安全性を持ち合わせています。屋外でもどこでも設置することができます。そして、最大9台まで連結させることができ、壁にかけてもいいですし、床においても問題ありません。大きな家であれば、9台まで連結させて使えばいいですし、家の大きさと必要な電力量に合わせてバッテリーの数量を調整できるようになりました。

 

そして、現代に一番マッチした機能がスマートフォンとの接続機能です。アプリを使い、リアルタイムで電力の状況をいつでもどこでも把握することができます。

 

また、驚きの値段ですが、13.5kWhのもので1基約61万円からです。これは同じスペックの日本製のバッテリーに比べ、約五分の一の価格です。

 

なぜテスラモーターズはバッテリーの低価格化を実現出来たのか?

以上でご紹介したように、テスラモーターズの家庭用バッテリー「Powerwall」は、非常に割安であることが魅力です。従来は高価であったリチウムイオン電池を、同社ではなぜ低価格化させることができたのでしょうか。

それは、テスラモーターズが電気自動車メーカーとしてバッテリー関連の技術を蓄積してきたからです。

 

テスラモーターズは、イーロン・マスク現最高経営責任者(CEO)(※)を中心としたシリコンバレーのエンジニアたちによって2003年に設立された電気自動車メーカーです。

(※)イーロン・マスク氏は民間のロケット・宇宙航空事業を展開するスペースXの創業者・現CEOでもあり、ペンシルベニア大学で物理学と経営学を修めた後、インターネット決済で有名なPayPalを創業した著名な起業家です。

 

同社は、電気自動車がガソリン車を超えることを証明したいという理念のもとで事業を展開し続け、これまでに「テスラ・ロードスター」や「テスラ・S」など優れた電気自動車を世に送り出してきました。

 

電気自動車において核となる技術の一つがバッテリーです。そのため、同社ではバッテリー関連技術を研鑽し続け、1回のフル充電で最長502キロの走行を達成するほどのバッテリー性能を実現しました。電気自動車を事業の核とする同社にとって、このようなこのような高性能バッテリーは極めて重要な要素であり、そのためバッテリーを量産化してきた経験が十分に有ります。

 

そこで、電気自動車の開発で培われたノウハウを家庭用バッテリーへ応用することで、高性能化、かつ低価格化が実現できたわけです。

 

デザインへのこだわり

バッテリーのデザインにここまでこだわったのは、後にも先にもテスラだけかもしれません。一般家庭用の蓄電池ということで、多くの家庭に受け入れられるデザインを取り入れながら、どこかおしゃれで日常生活に自然と溶け込む雰囲気があります。それを可能にしているのが、色のバリュエーションです。白、赤、グレー、ライトパープルなど全6種類が用意されています。

 

また、今までの蓄電池は、どこかやぼったく地面に置かれていました。まさに、バッテリーにはデザインなんて必要なく、スペックがあれば十分だという意識があったのでしょう。しかし、床置きから壁にかけられるようにデザインをしたため、まるでインテリアのように蓄電池が生まれ変わりました。

 

テスラモーターズが引き起こすバッテリー市場の今後

テスラモーターズは、「Gigafactory(ギガファクトリー)」と呼ばれる大規模なバッテリー工場をパナソニック等と共同出資して建設を始めています。2020年には本稼働する予定で、年間のバッテリー生産規模は、2013年に全世界で生産されたバッテリー合計数を上回るとされています。

 

同工場において製造コストの大幅な削減が予測されているため、リチウムイオン電池の低価格化が促進され、その結果バッテリーの普及が一気に加速する可能性も考えられます。パナソニックは、日本メーカーですが今後は、このように海外メーカーと協力をして開発速度を高め、大量生産をおこないながら市場の優位性を保っていく方向にいくのではないでしょうか。

 

また、さらなる技術革新や他社製品の価格競争のためバッテリー価格の低下に弾みがつき、リチウムイオン電池が一般家庭に行き渡る将来も、決して夢ではないでしょう。まだまだ、一般の人の手に届きにくい値段ですが、これから開発が進み、より手に届きやすいリチウムイオン電池が発売されることを期待しています。

 

まとめ

太陽光発電システムの活用には不可欠な装置である家庭用バッテリー。国からの補助金を受けることができるものの、やはり経済的な負担はそれなりに大きいと言えます。5kWのもので90万円。10kWとなれば300万円近くします。寿命も5年〜10年とものすごく長いわけではないため、メーカー保証がしっかりとした会社で買わなければ、損をしてしまいます。

 

そのような高価格帯であり続けたバッテリー市場に対し、イーロン・マスク率いるテスラモーターズが参入してきました。電気自動車メーカーとしての同社の優れた技術力により、バッテリーの高性能化と低価格化に弾みがつき始めました。今後も技術革新によるコストカットや価格競争による低価格化により、家庭用バッテリーも一般に手に入りやすくなる可能性があります。電気がもっと身近になるように、テスラモーターズの今後の動向に注目しましょう。

 

(参考)
テスラモーターズ社公式ウェブサイト
http://www.teslamotors.com/powerwall

http://www.teslamotors.com/jp/gigafactory

2017/06/15

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