すっかり秋も深まってきて公園などでも秋の虫を見かけるようになりましたが、体でしっかり秋を感じているでしょうか。
最近では子供に虫を触らせない親もいるようで、子供の好奇心や興味の幅を狭めてしまっているような教育を行う家庭も多いようです。学校の授業でも有名な昆虫の表紙のノートが親からのクレームで削除されてしまったり、理科の授業も生き物に触れる機会が減ったりしているようでなかなか難しい世の中になってしまいました。それでも生き物と触れ合うことは子供にとっては大事な教育で、命の大切さを学ぶ人生において最も大事な機会だともいえます。
今回はそんな虫と子供への教育と合わせて、秋の虫についてもご紹介しましょう。
テレビゲームが流行る前までは、子供たちの遊びといえば外で自然と戯れたり、子供同士で外を走り回ったりするのが一般的でしたよね。都市開発が進み自然が身近になくなったというのもあるかもしれませんが、テレビゲームの普及と同時に子供たちの遊びは変わってきました。
そして、さらに親たちが子供の学歴を気にするあまりに、テレビゲームと一緒に取り上げられてしまったのが体感する学びの時間ではないでしょうか。理科や家庭科、体育や音楽なども同じ学校で教えてもらう勉強であったはずのものが、学歴という名の試験の前ではほとんど相手にされなくなったことで、これらの科目に対して軽視されるようになったのが始まりだと思います。
子供たちは机の上で繰り広げられる勉強ばかりを強いられるようになり、体感を通しての学びの機会をどんどん取り上げられてしまっています。その結果、命に対してもバーチャルの世界が先行してしまい喜怒哀楽が上手に育まれなくなってきています。
もちろん親の中でも虫は嫌いだという人は多いとは思いますが、その親の感覚を子供に植え付けてしまっているということはないでしょうか。親も虫が嫌いになるそれなりの理由が過去にあったかとは思いますが、親が嫌いだから子供も嫌いでいいというのは子供に偏見を与えてしまうことになります。
実際に触らなくても虫との触れ合いは目で見たり、音で感じたりすることでも十分できます。まだ自分の意思がない子供にはすべての感覚を平等に与えてあげたいものですよね。
子供のころの感覚というのは非常に敏感なものです。親が嫌いだったとしても子供には大切な命との交流の機会を与えてあげるようにしましょう。
虫に触ることで子供がどれくらいの感覚を養っているのかというと、虫に触れる力加減、虫との距離の取り方、そして命の儚さなど様々なことを学ぶことができます。これはバーチャルや机の上からは決して学ぶことができない感覚で、虫を通して子供は相手との距離の取り方や力加減、命の尊さを知っていくことになります。こればかりはいくら口で説明しても教えることができない感覚です。
また自分と違うものを知るということは相手に興味を抱くきっかけにもなります。そういった命に触れることでこそわかる感覚を養っていけるのが虫とのふれあいです。
秋の虫といえば思いつくのが、童謡にもなっている「キリギリス」や「コオロギ」ですよね。草むらでよく演奏会をしている虫の音を聴くたびに秋の深まりを感じていますが、有名な「キリギリス」や「コオロギ」以外にも「鈴虫」や「トノサマバッタ」「イナゴ」なども音を奏でる有名な虫です。
キリギリス |
コオロギ |
鈴虫 |
トノサマバッタ |
イナゴ |
さらに音は奏でないけれども目で見て美しい「ルリタテハ蝶」や「ヒメアカタテハ蝶」「ベニシジミ蝶」などもいます。秋代表の昆虫として夕焼けに生える「赤とんぼ」や「アカネトンボ」も外せない虫ですよね。
ルリタテハ蝶 |
ヒメアカタテハ蝶 |
ベニシジミ蝶 |
赤とんぼ |
アカネトンボ |
自然が減ってしまってなかなか虫を見る機会も減りましたが、行楽の季節でもある秋。ハイキングやバーベキューに出かけた先でぜひ子供に自然を体感させてあげてください。
2015/11/09