2016年4月より始まる電力自由化。それによって私たちの生活はどうなるのでしょうか?
今までよりも便利になるのか、それとも不便になることがあるのか?気になるところではないでしょうか。
電力自由化により多くの民間企業が電力事業に参入してくることで、電力・電気の技術はレベルアップしていくと思われます。たとえば蓄電技術、電力の高効率化、電力源となるエネルギーの多様化などです。
それにより、一時的に停電になってもしばらくは安定した電気の供給が可能になったり光熱費削減へとつながっていくでしょう。
一部の鉄道会社では、供給できた電気を架線に蓄電し、それを電車の動力源として活用する研究を開始しています。今は供給した電気をそのまま架線へと送電し、電車を動かしています。
架線に蓄電することにより非常時に地域が停電しても、一時的に電車を動かせるので、人の避難、帰宅、物資輸送に貢献することができるようになります。
さらに、電力自由化によって自社で電気を供給できるようになれば、電車運賃のさらなる値下げも期待できます。しばらくは既存の電力会社を通じて電気を供給する形が続くと思われますが、近い将来はJR東日本のように自社で発電所を造り、そこから電気を供給して使う流れも活発化してくると言われています。
そうなると自社で電気を供給できるようになるので、一層のコスト削減・利益率アップに直結していくはずです。そうなれば運賃も今より値下げされ、最低料金100円のワンコインでOK!という時代がやってくるのも遠い先ではないでしょう。
また、電気の高効率化ができれば、今後普及していくであろう電気自動車にとっても追い風となるでしょう。電気代が安価になればガソリン車よりも経費が安くなっていき、さらなる低燃費化が期待できます。自動車は特に地方にお住まいの方にとっては必須ですから、自動車にかかる費用が安くなれば、余ったお金が地方に回り、地方の活性化へとつながるはずです。
一方で、メリットがあればデメリットもあります。
それは、電気代が一様に安くなるかどうかが分からないということです。競争激化によって価格が下がる流れになるだろうと言われています。
しかし、各社電気の発電・送電形態が固まってくるのは、少し先になると思われるからです。既存の電力会社はすでにノウハウがありますからいいのですが、新規参入の会社にとっては未知のことが多い世界ですから、しばらくは試行錯誤が続くと思われます。
何かしらのトラブル、ミス、システム改善などいろいろ手間暇がかかるためにコストもかさむ可能性があるのです。
また、非常時に対する対応がどうなるか、という懸念も予想されます。今後も起こるであろう大地震に対する対策は、新規参入組にとってはまったく知らない世界となるのです。非常時に起こる停電、それへの対応、復旧までにかかる時間はどれくらいか?
まだまだハッキリ読めないと考えられ、切り替えてくれた方にどう説明するのか、納得してもらえるのかがまだよく見えていません。今後確立されていくと思われますが、利用者にとっては気になるところです。
ただ、電力自由化はこれまでの電力会社独占という状態をなくし、消費者が納得いく選択肢を持てるようになったという点では、大きなメリットがあると言えるでしょう。日々の生活に合わせたり、ライフスタイルの変化に合わせて電力会社を変えたりすることができ、日々の暮らしに貢献する形になってきたと言えます。
こういったインフラシステムは私たちの生活に欠かせないものですから、毎日の暮らしが良くなるものでないと意味が無いのです。今後、どのように良くなっていくのか、括目して見ていくと面白いと思います。
2016/03/13