電力自由化が、比較的穏やかにスタートしています。そして、もうじき暑い夏がやってきますね。だんだんと冷房のお世話になり、電気の消費量が一気に増える頃です。
ときおり、発電量が最大値に近づいて、電力会社の供給量にゆとりがなくなることを、テレビやネットなどのニュースで見かけることがあると思います。それが電力の自由化でどうなるのか?を、推測ですが見ていきたいと思います。
結論から言うと、ゆとりがある会社の方が多くなるのではないか、と見ています。
というのも、電力自由化で新電力に切り替えた世帯は、全体に占める割合からみるとまだまだ少ないからです。準備が追い付いていない会社が多いのが一因ですが、一方で準備を整えて電力供給を始めた会社もあります。
それらの新電力と契約した世帯数は数千程度とみられているのです。日本の総世帯数が約5,640万世帯であることをみると、まだまだごく一部なのです。
※日本の総世帯数は総務省が公開している住民基本台帳データより参照
なので、新電力が供給できる電力数に比べるとまだまだ小規模であり、その分ゆとりはあるのではないかと思われます。ただ、夏の気温がどのように推移するかによって事態は変動するので、必ず大丈夫と言えないのもまた事実です。
一般家庭での電力自由化は今年から始まったものであり、すべてが初めてのことばかりとなります。夏に大きくなる電力需要にどのように対処するのか、また対処能力があるのか、が試される年となるでしょう。
なるべく不要な電気は使用せず、必要なところに使うという従来の姿勢を保持することは今年も大事になってくるはずです。
では、計画停電になる可能性はあるのか?というと、気温変動によるもののそこまで逼迫することはないと思われます。
ただし、例年以上に暑い日が続くようだと、そうなる可能性もなきにしもあらずです。ここ最近は原発の稼働を巡って各地で裁判が起こっており、一部では稼働停止を命じられるところも出ています。そうなると、そこで失われる発電を別の形態で補う必要があり、余裕がなくなってくるのです。
余裕がなくなってくれば、電力会社としては節電を呼びかけることになりますが、夏の暑い時期は少し節電しただけで熱中症などを引きおこす可能性もあるのです。体調を壊すことを考えると、できるだけ過度な節電は避けたいですし、寝苦しい夜が続くわけですからあまりそこまで節約したいという気分にもなれないのではないでしょうか。
なので、場合によっては計画停電という切り札が出てくることもあるでしょう。
ただ、国内の電力供給事情はそこまで逼迫する可能性は極めて低いので、それほど気にすることはないです。少しムダな電気を使わないようにするだけで大きなゆとりを生みます。使わない部屋の室内灯は消しておく、見ていないテレビの電源は切っておく、などの対策だけで十分に乗り切れるはずです。
この夏は新電力にとっても勝負になるかもしれません。というのは、すべてが初めてのことであり、どれくらいの電気消費量になるのか読みにくいからです。
なのですべてが試行錯誤になりますが、それほど綱渡り状態になることはないはずです。例年の傾向を分析し、どれくらいの電力消費量になるのかをある程度分析していることでしょう。
それらから出された数字にプラスαして余裕をもたせた供給量にしていると思われますので、あまり気にすることは無いです。新電力に切り替えた世帯でも、ムダな電気を使わないという当たり前の姿勢を持つことで、十分に乗り切れるでしょう。
2016/05/10