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電気自動車の燃費は本当に安い?

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私たちが住む現代の日本は、自動車が不可欠な社会となっています。これまでは主にガソリンを燃料としたガソリン自動車がクルマ社会を形成してきましたが、近年では電気自動車も普及し始めました。

 

電気自動車はガソリン自動車のようにCO2等の有害物質を発生させることはなく、化石燃料資源の枯渇問題へも対応できます。また、煩わしいガソリンの補充作業も必要もありません。

 

このようなメリットから電気自動車が注目を集めるようになったわけですが、自動車を保有する方にとっては経済性の良し悪しも気になるところではないでしょうか。とりわけ燃費については自動車を保有する方にとっては大変気になるトピックだと思います。それでは、ガソリン自動車から電気自動車に変えることで燃費の面でどのくらいのメリットがあるのでしょうか?

 

今回は、電気自動車の燃費について確認してみたいと思います。

 

ガソリン自動車と電気自動車の燃費比較の方法

電気自動車は化石燃料を直接使うわけではなく、代わりに電気を動力に変換することで走行させます。したがって、ガソリン1リットルあたりの走行距離(km)という従来の燃費の考え方では、ガソリン自動車と電気自動車のコスト比較は難しいため、今回は「1km走行するための必要コスト」という指標でガソリン自動車と電気自動車の燃費を計算して比べてみたいと思います。そして、計算結果から、どちらの自動車がどのくらい低コストであるかを明らかにしたいと思います。

 

1km走行に必要なコスト、ガソリン自動車の場合

一般公開されている情報から、ガソリン自動車が1km走行するための燃料コストを計算します。

 

・ガソリン価格1リットルあたりを130円と仮定します。

・ガソリン1リットルあたりの走行可能距離を10kmとします。なお、ここでの自動車は、AT車で車両重量1,500〜2,000kgを想定しています。

・以上より、1km走行するために必要な燃料費は、130円÷10km = 13円となります。

 

計算結果のまとめ

「ガソリン自動車は、1km走るために13円のコストが必要です。」

 

なお、上記の計算に用いた数値は以下のサイトを参考にしました。

・直近のガソリン価格について

e-燃費「最近1年間のレギュラー価格」

http://e-nenpi.com/gs/price_graph/2/1/0

 

・ガソリン自動車の燃費について

国土交通省公式ウェブサイト「乗用車の燃費・CO2排出量」

http://www.mlit.go.jp/common/001031308.pdf

 

 

1km走行に必要なコスト、電気自動車の場合

電気自動車の場合も、一般公開されている各種情報から、1km走行するために必要なコストを計算します。
・電気自動車の走行可能距離は、1充電あたり400kmと仮定します。

・電気代の安い夜間に充電するとし、夜間帯の電気代は1kWhあたり20.78円とします。

・リチウムイオン電池の容量を40kWhと仮定します。

・バッテリー残量ゼロから満充電までは40kWh × 20.78円 = 831.2円(≒830円)となります。以降の計算をわかりやすくするため、ここでは自宅でバッテリーを満タンにするためには830円必要と仮定します。

・830円で400kmの走行可能であるため、1kmあたりの価格に換算すると、830円÷400km = 2.0円となります。

 

計算結果のまとめ

「電気自動車は、1km走るために 2.5円のコストが必要です。」

 

なお、上記の計算に用いた数値は以下のサイトを参考にしました。

・夜間帯の電気代について

東京電力公式ウェブサイト「夜得プラン」

http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/menu/home/home08-j.html

 

・リチウムイオン電池の容量について

日産自動車公式ウェブサイト

http://ev1.nissan.co.jp/FAQ/battery.html

 

以上をまとめると、1km走るために必要なコストは

  • ガソリン自動車が約13円
  • 電気自動車が2円

となります。したがって、電気自動車の燃費は、ガソリン自動車の燃費の約6分の1(13円 ÷ 2円 = 6.5)で済むことが分かります。

 

昼間に充電しても安いのか?

上記は、夜間に充電した場合の金額で算出しましたが、昼間に充電した場合はどうなるのでしょうか?

 

実際多くの家庭では、昼間と夜間の電気代が違うところがほとんどです。そのため、夜間に充電することで電気代が安くなるのは当然。

 

昼間は夜間に比べると、2〜3倍の値段になることもよくあります。ここでは、昼間の値段を夜トクプランの昼間料金32円で再度計算してみたいと思います。

 

・電気自動車の走行可能距離は、1充電あたり400kmと仮定します。

・リチウムイオン電池の容量を40kWhと仮定します。

・バッテリー残量ゼロから満充電までは40kWh ×32円 = 1,280円(≒1,280円)となります。

・1,280円で400kmの走行可能であるため、1kmあたりの価格に換算すると、1,280円÷400km = 3.2円となります。

 

計算結果のまとめ

「電気自動車は、1km走るために3.2円のコストが必要です。」

 

なお、上記の計算に用いた数値は以下のサイトを参考にしました。

 

・昼間の電気代について

東京電力公式ウェブサイト「夜得プラン」

http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/menu/home/home08-j.html

日産自動車公式ウェブサイト

http://ev1.nissan.co.jp/FAQ/battery.html

 

結論としては、昼間に充電をしたとしても、ガソリンよりも安くなることがわかりました。

 

公共の充電スポットを利用した場合は?

電気自動車を充電する方法は、家だけではなく公共のスポットを利用する方法もあります。日産は、2,000円で充電スポットを何度でも使えるプランを発表しているので、これを使えばさらにお得になるかもしれません。

 

例えば、日産によれば、月の走行距離が1,000kmだった場合、5,241円も安くなるとしています。走行距離は、片道20kmの通勤を22日とその他120kmの合計1,000キkm。

 

普通車の燃費を1リットル17kmとした場合です。毎日長距離を走る人にとっては、費用が3分の1以下になるので、お得に感じるのではないでしょうか。

 

1番お得なのは夜自宅で充電する方法

ここまで様々な方法で料金の算出をしてきましたが、1番お得な方法は夜間料金で充電する方法でした。夜間の料金は、プランによって異なりますが、基本的にオール電化に加入している人であれば、夜がお得なプランに加入していることでしょう。

 

しかし、1日定額のプランに加入しているのであれば、日産などの公共スポットを利用して充電するのもあります。また、昼間のうちに充電が切れてしまったという場合でも、公共のスポットで必要な分だけ充電するほうがお得と言えそうです。

 

どちらにしても、ガソリン車よりも節約できるということは確かでしょう。

 

走行距離はどうなっているのか

ガソリン車より電気自動車のほうが燃費がいいことがわかっていただけたと思いますが、もう1つ気になることと言えば走行距離に問題です。ここでは、1回の充電で400km走行できるとしていますが、毎日通勤で使っている人からすれば、1週間や2週間で充電が必要になることでしょう。

 

さらに、長距離の旅行や出張に行く場合、全く足りないという人もいるかもしれません。

 

そこで、ここでは走行距離の今後についてご紹介します。

 

新型リーフは400km

リーフが発売された2010年は、200kmが走行距離でした。しかし、徐々に走行距離を延ばし、現在では400kmまで伸びています。ここ数年でかなりリチウムイオン電池が改善されていることもあり、ここまで大きな伸びを見せているのでしょう。

 

それに関わらず、バッテリーサイズはそのまま。全く大きくなっていません。それなのに、走行距離だけが伸びているというのは、大きな飛躍といえます。

 

ただ、電池は消耗品。何度も充電を繰り返していれば、徐々に充電できる容量も減っていきます。日産リーフの場合、最初は400kmもあった走行距離が240kmほどまで落ちると言われています。まだ発売されてから間もないため、実際のところどうなるかは数年先にわかることでしょう。

 

テスラは1,000km?

アメリカのテスラという会社をご存知でしょうか?電気自動車メーカーのベンチャー起業で、ここ最近勢力を延ばしている会社です。日本のパナソニックと協力関係にあり、リチウムイオン電池の製造工場「ギガファクトリー」を建設しているほどです。

 

このテスラは、すでに様々な電気自動車を開発しており、世界中で愛用者が増えています。その動力源となっているのが、自動車のデザイン。まるで、ヨーロッパの高級車のような見た目で、ブランド価値を高めています。

 

日産のリーフのように一般向けというよりも、富豪向けの意味合いが強く、価格も1,000万円近くと手がとどく金額ではありません。

 

しかし、ここ最近徐々に価格を落としています。そして、モデルPは連続乗車600kmという長距離運転をも可能にしています。日産のリーフと比べるとデザイン面、走行距離と圧倒的に高いスペックであることがわかるでしょう。

 

このようにテスラは、電気自動車に力を入れており、今後もさらに機能性を高めた電気自動車を発売していく予定です。

 

電気自動車の開発は中国と日本の競争になっていく

現在、テスラが一歩リードしているかもしれませんが、今後は技術的な開発競争が一段と激しくなり、日本と中国の開発競争になっていくことが予想されています。日本の場合、トヨタがまだまだ本腰をいれていませんが、今後電気自動車にも積極的に進出することが予想されます。

 

さらに、中国の動きも見逃せません。電気自動車は従来の自動車とは異なり、エンジンではなくモーターで駆動します。つまり、難しい機構設計がいらず、電化製品のように作れてしまうのです。そして、一番キモになるリチウムイオン電池の開発も日本や中国が競っているところです。

 

まとめ

今回は、電気自動車の燃費について、ガソリン自動車の燃費と比較することで検証してみました。

 

その結果、電気自動車はガソリン自動車よりも、実に6分の1の燃費で走行させることが可能であることが分かりました。

 

もちろん、実際の走行条件や燃料費の変動により若干数値が変動することがあり、今回の推計もある程度の誤差はあると思いますが、6倍近くの燃費差を考えると、電気自動車の方が燃費は割安であることには違いないでしょう。電気自動車は、燃費という面でもメリットが大きいと言えるのではないでしょうか。

2018/01/25

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