電気自動車は、車体内に搭載したバッテリーに蓄積した電気を動力源とするため、電気を貯めておく必要があります。そのため、電気自動車の主流と評価されている二次式電気自動車の場合は充電スタンドが必要となり、電気自動車の普及とともに充電スタンドも広まっていくと思われます。
充電スタンドは大きく分けて普通充電と急速充電に分けることができ、種類に応じて価格も異なります。そこで今回は、電気自動車に不可欠な充電スタンドの種類と価格について、まとめてご紹介したいと思います。
これから電気自動車を購入しようと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
一般車両の日常使用向けの充電スタンドです。電気代の安い夜間に充電し、日中に走行させる際に最適です。おおよそ5時間から8時間で満充電されます。普通充電スタンドには次のタイプがあります。
1時間の充電で約10kmの走行が可能。
30分の充電で約10kmの走行が可能。
30分の充電で約10kmの走行が可能。
一般の住宅やマンション、ビル、屋外駐車場、宿泊施設、商業施設、コンビニ、病院など多くの場所に設置することができます。ポール型普通充電スタンドはマンション、ビル、屋外駐車場に適します。
なお、ポール型普通充電スタンドには「ケーブルあり」と「ケーブルなし」のものがあります。ケーブルのあり/なしに種類が分かれているのは車両によっては別途ケーブルが付属しているものがあるからです。また、ケーブルありの場合は、車両によっては適合しない場合があります。
ポール型の場合は数十万円の水準になりますが、その他は数千円が多いようです。
(いずれも工事費含まず)
緊急時の充電や、業務用途で自動車を頻繁に利用する場合の充電に最適で、5分間の充電で約40kmの走行が可能です。急速充電スタンドには下記のように大容量タイプと中容量タイプがあります。(厳密には、メーカーによって具体的な数値は若干異なります。)
15分から30分程で、バッテリーがほぼ0に近い状態から80%まで充電が可能。
30分から60分程で、バッテリーがほぼ0に近い状態から80%まで充電が可能。
道の駅、ガソリンスタンド、高速自動車国道のSA、カーディーラー、商業施設など、短時間での充電が求められる場所に設置されます。
設備コストは百万円以上が多く、基本的に高圧供給契約が必要となります。
東京電力や国内主要自動車メーカーが中心として、急速充電の技術的な規格が策定されました。この規格に準じた急速充電スタンドであれば、バッテリーへの負荷を抑えつつ短時間で充電が可能になります。
2014年には電気自動車用急速充電規格の国際規格として承認され、今後は同規格の急速充電スタンドが、より一層普及される見込みです。料金は、1回450〜600円ほど。
ここまで充電スタンドを購入した場合の、費用をご紹介してきましたが、ここでは公共スタンドを利用した場合の料金についてご紹介したいと思います。公共の充電スタンドとは、高速道路や日産の店舗に設置されている充電スタンドのこと。
それぞれ利用料金が異なったり、定額で使い放題のものがあったり、特徴があります。うまく使い分けることで節約にもなるでしょう。
日本中に充電スタンドを作っているNCSという団体があります。これは、日本自動車メーカーであるトヨタ、日産、三菱、ホンダの4社が設立した合同会社で、日本充電サービスと呼ばれています。
NCSの充電スタンドを利用するためには、チャージスルゾウというカードを利用します。大きく分けて3種類に分けられます。
・急速充電器用
充電器には、急速充電器と普通充電器がありますが、これは急速充電器のみに使えるカードです。月3,800円の会費がかかり、それとは別で充電する際に1分15円がかかります。
・普通充電器用
普通充電器を利用する際のカード。月1,400円の会費がかかり、充電する際は1分あたり2.5円かかります。
・急速・普通併用
急速と普通充電器どちらも使えるサービスです。これは月4,200円の会費がかかり、急速15円、普通2.5円が1分間の充電それぞれかかります。
また、登録手数料として初回に1,400円がかかります。
これらの充電器は、全国に20,000箇所以上に設置されており、さらにその数を増やしています。
このように大手自動車メーカーがアライアンスを組んで、全国に充電スポットを作っていますが、日産は独自のスタンドを持っていることでも知られています。
日産の店舗に行けばわかりますが、どの店舗にも充電スタンドを見ることができるでしょう。これは、ZESP2というプランに入ることで利用可能です。
・使い放題プラン
2,000円/月
このほかにも、用途に合わせたプランが用意されていますので、チェックしてみてもいいでしょう。
日産ホームページ
http://ev.nissan.co.jp/LEAF/RUNNINGCOST/TEIGAKU/
電気自動車に乗っていると心配になるのが、充電切れ。近くに充電スポットがあればいいのですが、土地勘がない場所を走行していると困るものです。そこで、ここからは充電スポットが多い施設をご紹介したいと思います。
高速道路には、350箇所以上に充電スタンドが設置されています。サービスエリアで休憩をするときに、見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。
高速道路のように長距離を走る人にとっては、充電スタンドは欠かせないものです。サービスエリアはそれぞれ距離がありますので、危なくなる前に充電をすませておくのがポイントです。
また、サービスエリアでもまだまだ充電スポットに限りがあるのも事実。だいたい1~2基しか置いていないこともよくあります。そのため、他の車が充電中の場合はだいぶ待たなければいけないでしょう。
一般道や国道を走っているときに困ったら、道の駅を探しましょう。高速道路と同じように、充電スタンドが設置されています。その数はなんと、高速道路の倍。運転に疲れたときに、充電しながら休憩する場所としてもいいでしょう。
ゴルフ場やジムなどスポーツ施設にも充電スタンドは設置されています。ここはまた、カフェや宿泊施設なども導入を積極的におこなっており、休憩している間に充電ができるというメリットもあります。
特に、宿泊施設などはサービスの1つとして導入し始めているところも多く、宿泊をすれば充電を無料にしてくれるところもあるほどです。旅行中や出張中の人からすれば、わざわざ充電スタンドを探さなくていいので、手間が省けるというメリットもあります。
東京ではなかなかショッピングモールは見かけませんが、郊外にいくとショッピングモールには充電スタンドが設置されています。特に大型になればなるほど、設置されている可能性は高く、ショッピングのついでに利用する人が多いようです。しかし、大型のショッピングモールといえば、大勢の買い物客があふれています。
そのため、充電をするために長時間待つということも考えられます。もし、急ぎではないのであれば、自宅もしくはその他のスポットを利用した方がいいかもしれません。ショッピングモールの充電スタンドはあくまでも、救急時のみにしたほうがいいでしょう。
観光地には充電スタンドがつけられていることが多いようです。特に温泉施設や宿泊施設については、遠方からお客が来ることもあり充実してきています。
出張でも観光でも、電気自動車を使っても良さそうですね。
今回は、電気自動車に不可欠な設備である充電スタンドについてご紹介しました。充電スタンドには普通充電と急速充電の2種類があり、それぞれ適した用途も価格も異なることがお分かり頂けたかと思います。
公共で使用できる充電スタンドは、ガソリンスタンドと比べてまだ数が少ない状況ではありますが、住宅等プライベート向けの充電スタンドの数も合わせればガソリンスタンドに匹敵する普及となっています。
今後はバッテリー技術のさらなる向上や地球環境保全への取り組みから、電気自動車が社会に一層普及していくでしょう。
また、「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」等の国の補助金制度も活用できます。これら電気自動車の普及を後押しする流れに伴い、充電スタンドもさらにお求めやすく、日常的なものとなっていくでしょう。
電気自動車の購入を考えている人は、自宅に購入してみてもいいかもしれません。
(参考)
・経済産業省公式ウェブサイト「充電設備について」
http://www.meti.go.jp/policy/automobile/evphv/what/charge/
・JAF公式ウェブサイト「速充電と普通充電の違いは? 急速充電の大容量/中容量とは?」
http://www.jaf.or.jp/qa/others/eco-car/02.htm
・CHAdeMO公式ウェブサイト
http://www.chademo.com/wp/japan/
2018/01/15