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蓄電池の寿命とサイクル数をご解説

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蓄電システムを導入する際は価格面が気になると思いますが、それと同時に寿命も気がかりではないでしょうか。せっかく高価な蓄電池を手に入れたとしても、すぐに使えなくなるようでは経済的に割に合いませんし、なにより非常時に使えなくなるのではないかと不安が残ってしまいます。

 

そこで、蓄電池をご検討する際には、どの程度使い続けることができるのか寿命を確認することが大切です。蓄電池のタイプやメーカーによって異なるものの、おおよその寿命は判明していますので、蓄電システムのメンテナンスを考える際にも確認しておきましょう。

 

今回の記事では、蓄電池の情報として大切な寿命についてご紹介したいと思います。

 

蓄電池の種類

まずは、蓄電池の種類について簡単に説明させていただきます。蓄電池は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、NAS電池の4種類に大きく分けられます。どの電池も、みなさんの周りで使われています。

 

鉛蓄電池は、鉛をベースに製造されている蓄電池です。値段が安く安定した電力供給ができる魅力がある一方、硫酸や鉛を使っているため安全面に不安を抱えています。食品の製造工場など、口に入るものを作る場所で使われる際には、注意が必要です。

 

ニッケル水素電池は、水酸化ニッケルを使った蓄電池です。ニカド電池にかわる電池として幅広く使われており、耐久性があることが特長です。
リチウムイオン電池は、パソコンやスマートフォンなど様々な電気製品で使われいる今注目の蓄電池です。鉛電池、ニッケル水素電池などに比べてエネルギー密度が高く、小型で軽量なことが特徴です。また、寿命が長いことでも知られており、まさに今開発が進んでいる蓄電池です。
NAS電池は、産業用として使われている電池です。高エネルギー密度が特徴で、軽量で大容量な蓄電池です。

 

家庭用蓄電池が使われる理由

家庭用蓄電池は、家庭で発電した電気をためるために使われます。その多くは、太陽光発電で発電した電気をためておくことが目的です。基本的に、太陽光発電で発電した電気は屋内で使われることがほとんどですが、2016年から電気の自由化が始まったため個人が発電した電気も販売できるようになりました。その影響もあり、家庭で発電した電気をためておき販売する人が増えています。他にも、太陽光発電は夜間には使えないため、蓄電池を購入することで昼間にためた電気を夜間に使うこともできます。

 

また、オール電化の家庭は大規模停電が起きた際に、家中の電化製品が使えなくなる恐れがあります。電気コンロやお湯を沸かすこともできなくなるため、非常用の電源として購入する人も増えています。特に東日本大震災以降、防災に対する意識も高まっているため、より注目が集まっています。

 

蓄電池は材質によって寿命が異なる

現在実用化されている蓄電池は、その材質によって鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、NAS電池などに分けられます。それぞれの蓄電池には特徴があり、また寿命も異なります。

 

経済産業省蓄電池戦略プロジェクトチームが平成24年7月に発行した資料『蓄電池戦略』よると、上記蓄電池の寿命は次のようになっています。

電池種別 寿命 サイクル数
鉛蓄電池 17年 3,150回
リチウムイオン電池 6~10年 3,500回
ニッケル水素電池 5~7年 2,000回
NAS電池 15年 4,500回

 

このように、蓄電池の種類により違いが見られます。2015年現在において国から補助金を受ける場合は技術面、価格面の優位性からリチウムイオン電池に限られており、そのため補助金もご検討の場合はリチウムイオン電池の寿命を確認しておくことをオススメします。

 

通常、大容量のものほど蓄えることができる電力量が必然と大きくなるため、1回あたりの、充放電のサイクル自体も長くなるため、結果として小さい容量の蓄電池よりも寿命が長くなります。

 

太陽光発電と一緒に使われている家庭用の蓄電池ですが、日本製のリチウムイオン蓄電池が一般的です。設置する環境や使用条件にもよりますが、約4千サイクルであり、毎日使った場合10年程度といわれています

 

なお、NAS電池は寿命が長く魅力的に見えますが、普及のためには価格面や安全性などクリアすべき点が現状では多いと言われています。

 

蓄電池を示すサイクルとはどのような単位?

一般に、寿命と言えば年数で表されるのが通常ですが、蓄電池の場合はサイクル数で表されることがよくあります。それでは、サイクル数とはどのようなもので、寿命とどのような関係があるのでしょうか。

 

サイクル数とは、充電と放電をワンセットにした場合どのくらい充放電を繰り返しできるか回数で表したものです。つまりサイクル数が多いということは、蓄電と放電を繰り返し多くできるということになります。

そのため、充放電の回数が少なく住む大容量の蓄電池ほど、サイクル数という観点から見ても寿命が長いということが言えます。

 

なお、充放電を繰り返した結果、メーカーカタログ等に記載されているサイクル数を越えたとしても蓄電池が全く使えなくなるというわけではなく、携帯電話やノートPCに搭載されているリチウムイオン電池と同じように、性能が劣化してしまう(充放電の量が減る)ことを意味します。

 

蓄電池は使用環境や充電の頻度によって寿命が変わる

メーカーカタログ等に記載の寿命やサイクル数は目安であるため、使用環境や使い方によってはより劣化が早まる可能性があることがあります。

 

リチウムイオン電池は、過放電や過充電を繰り返すことや、極端に高温での環境で使用すれば劣化が早まると言われています。また、完全放電してから充電するよりは、ある程度の小まめさで充電を繰り返したほうが電池性能を維持できるとも言われています。

 

そのため、蓄電池の寿命について確認する際は、蓄電池のご利用環境や使用頻度も考慮に入れることが必要になります。

 

寿命を迎えたとしてもまだ使える

電池の寿命について考えことはありますか?蓄電池ではなく、購入して電気がなくなったら捨てる場合の普通の電池なら、使えなくなった時点で寿命ということができますが、蓄電池の場合は充電をして使えるので、今までの寿命の考え方が通用しません。家庭用の蓄電池であれば、10年は使えるといわれますが、必ずしもそういうわけではないのです。家庭で使われているものは、基本的にはリチウムイオン電池ですが、充電や放電を繰り返していくたびに、徐々に電池の中の容量が減っていきます。基準と言われている10年ずっと使うと、だいたい7割程度に落ちます。

 

これは家庭で一般的に使われている電池ですが、最近普及し始めたPHVや電気自動車は、10年間は能力が落ちないように作られています。

 

それよりも、電池の交換が必要になる前に、それら周辺に使われている電子部品が最初に使えなくなる可能性があります。電子部品の寿命は、一般的に10年物か持たない程度です。長いものであれば、10年以上持つものもありますが、実際はほとんどが10年以下です。例えば、パソコンを例にしてみると、最近のパソコンは充電できる容量も増え1日充電なしで使えるものが増えてきました。3年、4年使っていくとバッテリーの減りよりもきになるのが、キーボードの故障やハードディスクの損傷など、バッテリーではない部分が気になり始めます。

 

蓄電池の保証

このように、蓄電池は徐々に寿命が減っていきます。高い買い物である分、できるだけ長く使いたいですよね。しかし、突然壊れるということもないわけではありません。購入してから数日たって故障するというケースなら、すぐに交換をしてもらえますが、5年、10年たったものが壊れたら困りますよね。

 

そんな事態の備えとして、蓄電池の保証期間に注目しましょう。

 

蓄電池の保証期間を見るときのポイントとしては、蓄電池本体、電力をコントロールする分電盤、そしてリモコンなどの付属機器で保証が違うことです。

 

値段だけに踊らされず、高い買い物なのでしっかりとした保証がついてる蓄電池を選ぶようにしましょう。大手メーカーの保証期間を見てみると、それぞれ違うことがわかります。例えば、京セラや東芝は保証期間を10年としていますが、パナソニックは納品から1年です。NECについては、工場出荷から14ヶ月としています。初期不良が最初の1年で出ると言われているので、パナソニックは、初期不良のみをサポートしていることになります。その代わり、メンテナンスサービスが充実しているので、壊れないようにサポートをしてくれます。また、他のメーカーに比べ、価格が安いこともあるかもしれません。

 

まとめ

現在、家庭用や産業用蓄電池として広く普及しているのはリチウムイオン電池です。そのため、新たに蓄電池を導入しようとご検討される場合は、リチウムイオン電池の寿命である6~10年(サイクル数3,500回)を目安にするとよいでしょう。産業用途にサイクル寿命が8,000サイクルのものもありますが、その分、価格帯が高額になります。

 

なお、寿命の長さが特徴的である鉛蓄電池を採用するメーカーもありますが、2015年現在では補助金対象になっていないためこの点はご留意下さい。

 

(参考:経済産業省蓄電池戦略プロジェクトチーム『蓄電池戦略』平成24年7月)
http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_problem_committee/028/pdf/28sankou2-2.pdf 

2017/05/01

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