ハウステンボスの別荘地には、すでに太陽光パネルが設置されており、一日あたり30kW程度の発電能力を有しています。
また、蓄電池を設置されており、120kWの電気を蓄えることができます。これは一般家庭12世帯分の消費電力に相当します。
この発電システムは、九電工と共同で開発・導入されました。今後は2020年まで活用実験を続けていく方針です。
駐車場にメガソーラーを建設するなど再生可能エネルギー利用拡大を図るハウステンボスで新たにエネルギー利用計画が進行しています。
そこで、今回はハウステンボスに隣接する「変なホテル」での水素エネルギー活用計画について紹介します。
水素製造装置と水素タンクを設置し、燃料電池で温水を作り出す計画です。
この計画では、太陽光発電の電力を利用するため、二酸化炭素を排出しないエネルギー供給システムとなっています。
また、リチウムイオン電池を設置し災害時などにホテルが停電しても電力と温水を客室に供給できるようになっています。
この計画では東芝のH2Oneというシステムを利用しています。
これは、太陽光発電装置、蓄電池、水の電気分解装置、水素貯蔵タンク、燃料電池、水素EMSを備えた自立型エネルギー供給システムです。
水の電気分解で発生させた水素を利用し、燃料電池で発電するために二酸化炭素を排出しないシステムであることが特徴です。
このエネルギー供給システムを活用して、変なホテルはエネルギーを自給自足できます。
日照時間が長い夏に太陽光発電で発電した余剰電力で水を電気分解し、水素を製造します。その水素を使用して燃料電池で発電することで年間を通して電力を供給できるという特徴があります。
また水素タンクの材料に水素貯蔵合金を使用しているため、サイズが従来品に比べて10分の1に縮小できたため、敷地面積が比較的小さい場所にも設置可能になっています。これがハウステンボスでの水素エネルギー供給システムの特徴です。
こうして、水素エネルギーのみでホテルの消費電力を賄うことができるため環境に負荷の少ない新エネルギーシステムの実現につなげています。
東芝がH2Oneを導入したのはこのハウステンボスが初めてです。導入前には、神奈川県川崎市の公共施設である「川崎マリエン」で実証実験を行いました。
バッテリーを備え、二酸化炭素フリーのエネルギー貯蔵ができるかを確かめたそうです。また、ハウステンボスでは、ソーラーと風力を用いた「ハイブリッド発電制御システム」の共同実験を九電工とともに行っています。
これは、電力会社の送電網とはつながっておらず、再生可能エネルギーだけでの安定的な電力供給を目指す国内初の実験として注目されています。ほかにも「変なホテル」ではロボットが受付を行うなど最先端の技術がたくさん使用されています。
東芝は、水素エネルギーに力を注いており、水素の製造、貯蔵、発電・利用まで一貫したソリューションを提供しています。
地産地消とサプライチェーンに取り組み、水素事業だけで売上100億円を目標としています。今後は事務所モデル、離島モデルなどの水素の地産地消ソリューションの幅を広げていく予定です。
いかがでしたでしょうか?みなさんのなかにはハウステンボスへ行かれた方はいらっしゃるかもしれません。
しかし、ハウステンボスはイルミネーション、オランダ風の建物くらいだと思われている方がほとんどだと思います。ハウステンボスには先ほど紹介したような最先端技術が使われたホテルという新たな見どころを発見したかとおもいます。
実は私もこのホテルがハウステンボスの敷地内にあるという事実を初めて知りました。
次回、ハウステンボスを訪れる際には見学・宿泊したいと思います。
2016/03/01