車いすの方へ、エレベーターの優しい配慮とは?


鏡

 出典 http://hotel.jp/hotel/13892/review/7378/

最近では、街の至るところでバリアフリーのための工夫がみられます。

特にエレベーターなどは、車いすの方が使用されることをよく考慮した作りになっています。

普段私たちが何気なく使用することの多いエレベーターですが、車いすの方たちのためにどんなバリアフリーの工夫がなされているのでしょうか?

 

車いすの方でも押しやすい位置に設置されたボタン

エレベーターに乗ると、扉の側に設置された縦長の行き先階ボタンと、エレベーターのカゴの壁の低い位置に設置された、横長の行き先階ボタンに気付かれるでしょう。

一般的な車いすの全高は、80~140cm。

そのため、車いすの方専用ボタンは、車いすに乗っている方でも押しやすい、カゴの床から80~100cmほどの高さの位置に設置されています。

実はこちらの車いすの方専用ボタンは、ただ低い位置に設置されているだけではなく、通常の行き先階ボタンと動作が異なります。

車いすの方専用ボタンを押すと、基本的にドアの開放時間が長くなるのが特徴です。

またエレベーターの機種によっては、開閉速度がかなりゆっくりしたものになるものも存在します。

これらの配慮は、車いすを利用されている方が焦らず、安全にエレベーターの乗降ができるようにと考えられたもので、扉に挟まれて転倒するなどの事故を防ぐのに大変役立っています。

 

むやみに押すのはやめよう!車いすの方専用ボタン

車いすの方がエレベーターを利用しやすいよう、行き先階ボタンの設置位置やドアの開放時間の長さなどに関して工夫されていることを知ることができましたが、実は車いすの方専用ボタンには、それ以外にも思わぬ工夫がなされています。

車いすの方専用ボタンはその設置位置から、子供やその他のエレベーターを利用している方でも、ついついボタンを押してしまうことがあるかも知れません。

しかし、エレベーターを呼ぶために車いすの方専用ボタンを押してしまうと、他の階で待っている方たちよりも優先して到着するように設定されているため、他の方の迷惑になることがあります。

また、そうすることで電力の無駄使いになる可能性も高いため、車いすの利用者でない限りは、むやみに専用ボタンを押すことは避けたほうが良いでしょう。

 

エレベーター内のミラーは身だしなみチェックのためではない!?

エレベーター内にある大きなミラーで、出掛ける前に身だしなみをチェックする方も多いのではないでしょうか?

ですが、エレベータ内にミラーがある本当の理由を知るなら、もしも車いすの方とエレベーターで乗り合わせた際に、気を利かせることができるかも知れません。

実はエレベーター内のミラーは、身だしなみチェックのためのものと言うよりは、車いすの方のためにものなんです。

車いすを回転させる余裕のない狭いエレベーター内では、大きなミラーが取り付けられていることにより、車いすの方がミラーで後ろの様子を確認しながら、後方バックでエレベーターから降りることができます。

後ろを振り向きながら降りるよりも、ミラーで後方の安全確認しながらエレベーターから降りることができるので、非常に安全と言えるでしょう。

そのため、車いすの方とエレベーターに乗り合わせた際には、車いすの方が手すりにつかまれるように移動したり、乗降の際にはドア開放ボタンを押すと同時に、ミラーを遮らないようにも気をつけたいですね。

 

まとめ

建物の上下階を移動する手段として活躍しているエレベーターですが、車いすの方にとっては建物内の移動手段としては唯一のもの。

それ故、バリアフリーを意識して作られているエレベーターが、以前よりも多くなってきました。

これからもっと気配り、心配りがなされたエレベーターが開発されていくと思われます。

しかしそれと同時に、エレベーターに乗り合わせた人々同士、お互いに助け合うことも忘れないようにしたいものです。