茶渋、サビ、タバコのヤニ、ガムなどのしつこい汚れの落とし方


みなさんこんにちは、ビルクリーニングのプロ水無瀬です。

ビルや家屋のお掃除をするのが私の仕事なのですが、タオルで拭くだけで落ちてくれる簡単な汚れもあれば、スポンジで一生懸命にこすっても全然落ちないしつこい汚れもあります。

こういう汚れを落としてくれると期待されてお客様が依頼してくださっているのできちんと取り除いていきますが、力まかせで落とすわけではありません。

今回は代表的なしつこい汚れを取り上げて、私たちビルクリーニングで働く者がどんな方法で汚れを落としているのかお伝えしたいと思います。

 

茶渋やサビを落としたい

お茶碗やシンクについた茶色い汚れの茶渋や隅っこに現れた赤いサビ汚れ。

とても気になりますが台所にある洗剤をかけても落ちません。これはなぜかというと台所にある洗剤は油汚れを落とすために作られたもので、茶渋やサビは油汚れではないからです。

では何の汚れかというと金属汚れと言いまして、お茶や水に含まれている金属分や酸化した鉄が目に見える形で発生しているというわけです。

こういった金属汚れをどうやって落とすかというと、酸性洗剤がありますので、それをかけて2〜3分待った後にスポンジなどの柔らかいものでこすって落とします。

固いスチールウールのようなものでこすってしまうと細かい傷がついてしまい、その場ではきれいになったように見えてもすぐに汚れてしまうようになってしまいます。

表面のツルツルした状態を保ちつつ邪魔な汚れだけを洗剤の力で取り除いているというわけです。酸性洗剤は使った後はしっかり水で流します。放置していると別の汚れを作ってしまう場合があるからです。

 

タバコのヤニを落としたい

最初は真っ白だった壁紙がいつの間にか真っ黄色に。よくあることですが室内でタバコを吸うと確実に色んな場所が汚れていきます。

タバコのヤニと言いますが、正体は油汚れですので水拭きのみでは取り除くことができません。ですので洗剤拭きをしっかりおこなった後にすすぎ拭きを行うことで汚れを落としていきます。

ここで注意したいのはタバコのヤニは煙ですので高い場所にもくっついてしまうということです。ホームセンターなどで棒の先にタオルをくっつけて拭くことができる道具がありますので、それで落としてしまうのが御奨めです。

脚立に乗って拭くという方法もありますが足を滑らせて怪我をすることがよくあるので、こちらは避けるべきでしょう。

 

ガムを落としたい

ガムは噛んでも噛んでもなくなりません。これはなぜかというと人間の唾液に含まれる酵素で分解できないものだからです。酵素で分解できないということは微生物はガムを食べてくれません。

ですので、ガムが外回りなどにくっついてしまうと何年経ってもそこにガム汚れがいるままです。黒くて目立ちますので、竹櫛などで削って落としてしまいましょう。

まだ固まっていないガムの場合は蒸しタオルなどで温めて柔らかくしてから取り除くという方法もあります。

汚れの種類と汚れがくっついている場所を見極めて、それに応じた方法で取り除くのがプロの技術です。魔法使いではありませんので新品に戻すことはできませんが衛生的な状態に復元することは可能です。

この汚れは何の汚れなのかよく観察し、力まかせではなく時間や温度、洗剤を利用して上手に楽にしつこい汚れを取り除いてしまいましょう。

 

以上をまとめると、

●茶渋やサビは金属汚れなので酸性洗剤を使います。酸性洗剤を使った後はよくすすぎましょう。

●タバコの煙が届く場所は全てヤニで黄色くなります。高所も掃除できる道具を用意しましょう。

●ガム汚れは取り除かない限り、ずっと落ちません。固まったガムは物理的に取り除き、まだやわらかいガムは温度で取り除きましょう。

 

汚れにいろんな種類があるように、汚れの落とし方にもいろんな方法があります。

力任せに固いものでこすれば汚れは落ちますが、すぐに汚れる傷だらけのものになってしまいます。いきなり削ってしまうのではなく、汚れだけを取り除く方法を試してみましょう。