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家庭用、産業用に導入する蓄電池の選び方をご紹介

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再生可能エネルギーの普及に伴って注目を集めてきた蓄電池。蓄電池には家庭用と産業用のものがあり、さらに鉛蓄電池やリチウムイオン電池など材質による違いもあります。また、蓄電池メーカーによっては蓄電容量やその他性能が異なります。

蓄電池の利用シーンによって最適な蓄電池を選択することがベターですが、それではどのような観点で蓄電池を選択すればよいでしょうか?今回は、蓄電池の選び方のポイントをご紹介します。

 

家庭用、産業用ともに共通することですが、蓄電池を設置する「目的」を決め、そして蓄電池を設置するにあたって場所等の「条件」を確認します。そして、どのくらい費用をかけられるか「コスト」を見積もります。この3点をしっかりと確認することで、ご希望にかなう蓄電池を選択しやすくなるでしょう。

 

蓄電池の種類

まずは、蓄電池の種類について簡単に把握しておきましょう。蓄電池は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、NAS電池などに分けられます。どの電池の名前も聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

鉛蓄電池は、鉛を使った蓄電池であり、値段が安く安定した電力供給ができるメリットがある反面、硫酸や鉛を使っているため安全面での不安が残ります。ニッケル水素電池は、水酸化ニッケルを使った蓄電池です。ニカド電池に代わり使われており、過充電などに強く耐久性に優れています。リチウムイオン電池は、科学的な反応を利用した電池です。鉛電池、ニッケル水素電池などに比べてエネルギー密度が高く、小型で軽量なことが特徴です。また、寿命が長いことでも知られており、様々なシーンで活用されています。NAS電池は、高エネルギー密度が特徴で、軽量で大容量な蓄電池です。寿命も長く、産業用の蓄電池として活用されています。

 

蓄電池を設置する「目的」は何か?

蓄電池は、発電もしくは充電した電気を蓄えておくことができる電源です。普段意識することはほとんどありませんが、日常生活のあらゆるところで活用されています。

 

家庭用蓄電池の場合

家庭用蓄電池は、家庭で発電した電気をためるために使われます。その多くは、太陽光発電で発電した電気をためておくことが目的です。基本的に、太陽光発電で発電した電気は屋内で使われることがほとんどですが、2016年から電気の自由化が始まったため個人が発電した電気も販売できるようになりました。その影響もあり、家庭で発電した電気をためておき販売する人が増えています。他にも、太陽光発電は夜間には使えないため、蓄電池を購入することで昼間にためた電気を夜間に使うこともできます。

 

また、オール電化の家庭は大規模停電が起きた際に、家中の電化製品が使えなくなる恐れがあります。電気コンロやお湯を沸かすこともできなくなるため、非常用の電源として購入する人も増えています。特に東日本大震災以降、防災に対する意識も高まっているため、より注目が集まっています。

 

産業用電池の場合

産業用蓄電池の場合も同様ですが、停電時であっても停止が許されない設備を有している場合は、電力会社からの電気供給がストップした時に備え自動的に電源を蓄電池へ切り替える機能が求められています。特に、停電と同時にパソコンのデータがなくなってしまうことがあるため、パソコンの非常用電源として蓄電池が活用されるケースも目立ちます。他には、近年の地震や洪水などから防犯意識が高まり、ビルや公共施設などで非常用電源の重要性が見直されています。突然の停電に慌てないよう、蓄電池を導入し非常用電源を確保することが大切です。

 

蓄電池を設置するための「条件」は何か?

目的が決まれば、次は条件を確認します。蓄電池を導入する際に考えられる条件は主に以下があります。

 

・ 設置スペース

蓄電池の大きさは蓄電容量によって異なり、大容量のものほどサイズが大きくなります。家庭用を屋内に設置する前に、事前に置くためのスペースの広さと蓄電池の大きさを確認して置くことが大切です。ほとんどの家庭では、置くスペースに限りがあるため蓄電池の容量と大きさを十分に検討する必要があります。近年では、蓄電池も徐々に小さくなってきていますが、大きいものであれば約1㎥のサイズです。これだけ大きなものですので、事前に計画を立ててスペースの確保に努めましょう。また、産業用であれば屋外に設置することもあります。屋外に設置する場合は、雨や風などから蓄電池を守るために、防護設備が必要となります。もちろん、費用などもかかるため設置のため事前の検討をおこなうようにしましょう。

 

産業用蓄電池の場合は設備によっては相当規模の大きさになるため、専用の施設やスペースをあらかじめ確保することが必要となる場合があります。家庭用の蓄電池と同じように、十分な広さを確保した上で検討が必要となります。

 

・ 必要電力

蓄電池で賄うことができる出力量を検討します。そのためには、目的やライフスタイルに応じて電気機器の消費電力量(ワット)をあらかじめ計算しておくことが大切です。

 

たとえば、家庭用蓄電池の場合は必要となる冷蔵庫、エアコン、照明等を同時に連続使用した場合に必要となる出力量を見積もり、そして連続使用で何時間分の出力が必要か合わせて確認します。いざという時に電力不足にならないよう、必要電力はやや大きめに見積もるとよいでしょう。産業用蓄電池でも同様の考え方になります。

 

・ 蓄電池の寿命

蓄電池を決める際にとても大切なポイントは、寿命です。パソコンや携帯電話を何度も充電していると、同じ時間充電をしてもすぐにバッテリーがなくなってしまう経験は誰にでもあるのではないでしょうか。また、バッテリーは最後まで使い切ってから、充電したほうが長持ちするということを聞いたこともあるのではないでしょうか。家庭用、産業用の蓄電池にもこのような寿命が存在します。

 

蓄電池の寿命は、一般にサイクル数でカタログ等に記載されています。1回の充電と放電を1サイクルとしています。蓄電池の種類や容量、使用環境などによりそれぞれ使用できる期間が変わってきます。

 

たとえばリチウムイオン電池の場合は長くて10年ほどの寿命と言われています。それに合わせるように蓄電池のメーカー保証も10年に定められていることがほとんどです。電池自体は、寿命が来ても充電できる容量が減るだけですので、継続して使用することは可能です。ただ、蓄電システム全体で見れば電子部品が組み込まれており、その寿命は10年も持たないものもあります。そのため、蓄電池よりも一緒に使われてる電子部品のサポートなども確認しておくといいでしょう。電子部品が生産終了になってしまうと蓄電池が使えてもメンテナンスできなくなってしまいます。メーカーを選ぶ上でも信頼できる会社を選ぶことが大切です。

 

・ 必要機能

蓄電池には様々な機能を有しているものがあり、たとえば停電時には自動的に蓄電池の出力へ切り替わる自動切り替え機能が付いているものや、太陽光発電システムと連携しているもの、また、リモートサポートが24時間365日受けられるものもあります。特に産業用途の場合は医療装置やサーバーなど、停止が許されないケースにおいて自動切り替え機能は必須でしょう。中には、そういった自動コントロールができない蓄電池もあります。送電されてきた電気と太陽光で発電した電気をコントロールし、効率良く使えることが重要です。

 

蓄電池に費やせる「コスト」を決める

蓄電池は様々なメーカーから、様々な性能を持つものが提供されています。高性能で大容量であるほど高価ですが、ご利用の目的と条件によっては必ずしも高価なものを必要としない場合もあります。目的、条件とともに費やすことができる費用を見積もっておくことで、蓄電池にかけられるコストも検討しやすくなります。

 

なお、コストには蓄電池本体価格のみならず、工事費やメンテナンス費も合わせて確認することが大切です。蓄電池は、通常メンテナンスの必要はないため管理がとても簡単です。もしメンテナンスをすると言っても汚れをとったり、フィルターの掃除をしたりする程度です。しかし、高電圧が流れていることもあり個人がメンテナンスをおこなうには危険が伴います。基本的には設置業者にメンテナンスを依頼することとなるでしょう。掃除を怠っていると埃がたまり、火事や故障の原因となります。定期的にメンテナンスすることを心がけましょう。

 

また都道府県ごとに購入のための補助金が用意されています。補助金の金額は地方自治体や蓄電池の容量の大きさなどにより様々ですので、住んでいる地域の補助金を事前に確認しておくといいでしょう。相場としては、24万円前後が一般的ですが、それ以上に受給できる場合もあります。蓄電池の需要が大きくなるにつれ、金額の相場は徐々に下がっていますが、補助金の額も下降傾向にあるため購入時期を伸ばせば伸ばすほどお得になるというわけでもありません。

 

まとめ

家庭用でも産業用でも、最適な蓄電池を選ぶ場合は、上記のように「目的」、「条件」、「コスト」の観点から整理すると検討しやすいでしょう。

 

また、蓄電池導入の際は必要となる電気出力を再確認することになります。その時、家庭用の場合は本当に必要な電気製品は何かを再検討する良い機会になります。無駄な電気製品を整理することで、さらに電気代を節約した生活が実現できます。これから蓄電池を検討する人は、これらのことを念頭に置いて蓄電池選びをしてみてください。節約以外にも、災害時の非常用電源として使えるため、様々な角度から必要性を検討することが大切です。

2017/03/26

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