パリを一望!フランスで存在感を放つ「モンパルナスタワー」
出典 https://www.travelbook.co.jp/topic/943
フランスの首都パリの南部に位置するモンパルナス地区にある超高層ビル、その名もモンパルナスタワー。
もともとモンパルナス駅があったモンパルナスの中心地に1969年から1972年にかけて建設されました。
パリの街並みが一望できるモンパルナスタワーにはさまざまなストーリーがあり、世界のかっこいいビルにふさわしい魅力もたくさん詰まっています。
そんなモンパルナスタワーについてさまざまな視点で詳しくご紹介します。
パリの景色を一望、モンパルナスタワー
モンパルナスタワーはフランスで最近まで最高の高さを誇るビルとして君臨していた超高層ビルです。
その高さは210mもあり、59階建てのほとんどがオフィスとなっていて、基本的には一般の人が入ることのできない商業ビルです。
とはいえ、一般に開放されている56階と59階のテラススペースではパリの景色を一望することができ、たくさんの観光客が訪れる有名な観光スポットにもなっています。
年中無休で夜遅くまで営業されているモンパルナスタワーですが、エレベーターで38秒というスピードで最上階まで上がることができ、最上階からはエッフェル塔やルーブル美術館、ノートルダム大聖堂、サクレクール寺院、アンバリッド、パンテオンなどが一望できます。
フランス建築界に景観論争を巻き起こす…
フランスの中でも特にパリには高層ビル街というものがなく、存在感のあるモンパルナスタワーはフランスで激しい景観論争を巻き起こすきっかけを作ったビルとして知られています。
パストゥール・モンパルナス計画というのがその当時あり、モンパルナス地区の急激な経済発展に伴い開発が推し進められました。
歴史的なパリの景観とは対照的な近代的でモダンな黒い岩のような外観とその巨大さには圧倒的なパワーがあふれていて、建設当時ものすごい批判を浴びました。
デザイン自体は洗練されていてすごく現代的であるにもかかわらず、パリの街には調和しないというあまりの悪評にモンパルナスビル側も改修を何度か考え、巨大で単調だった外壁面にパターンを施し、低層階をガラス張りにする工夫が設け、さらにデザイン性を追求しました。
その後も何度か改修が行われましたが、ビルと町の調和がうまく取れず現在に至っている経緯があります。
ビル自体はとてもおしゃれでデザイン性も高くかっこいいビルにふさわしいものですが、あまりにも近代的過ぎたその面持ちはパリという歴史的街にはなじまなかったようです。
数年前にも一般開放されているテラス席の全面改装が行われ、ガラス張りのおしゃれさがプラスされましたが、基本的にはオフィスビルとしての目的を果たすべくシンプルで簡素なビルデザインになっています。
オフィスビルでも観光名所
モンパルナスタワーは基本的にその多くがオフィスビルとなっていますが、56階には展望スペースとパリの展示施設、レストランスペース、ブティックなどがあります、最上階である屋上テテラスからは360度のパノラマ景観を眺望することができ、ガラス張りの開放的な空間が広がります。
お天気のいい日にはパリの景色を一望できるだけでなく、遠く離れた空港から飛行機が離着陸している様子が見えたり、夜にはパリの夜景が幻想的に輝いて見えます。
パリの中でも観光地として人気のエリアであるモンパルナス地区には、かつて多くの芸術家が集まった町として知られていて、ピカソやモディリアーニ、シャガール、ミロ、キスリングなどの有名な芸術家たちや日本人芸術家の岡本太郎などが暮らしていた場所です。
芸術家たちは主にカフェで活動していて、さまざまな芸術家たちが活動したカフェは今でも営業しており、観光スポットとなっています。
またモンパルナス大通り沿いにはシャン・ノートルダムと言われる大聖堂やレンヌ大通りの先にはサン・ジェルマン・デ・プレ教会があり、パリ市内で一番美しいといわれるルクセンブルグ公園もあります。
パリに建築されなければもっと注目を集めていた!?
モンパルナスタワーは建築された場所が悪かったためにさまざまな批判を浴びてしまい、注目を集めてしまったビルですが、そのデザイン性は確かなもので周囲に批判を招くほど圧倒的な存在感と輝きを放っていたことに違いはありません。
本来であれば建築当時、210mもの高さにたった38秒で登ってしまうエレベーターなどがもっと注目を集めていたはずです。
今でもそのスピードは驚くほど速いものですが、景観を重視するフランス市民にはスピードよりも高さばかりが目立ってしまったようです。
批判的な意見も多いモンパルナスタワーですが、パリ全体の観光という視点ではなく超高層ビルの美の観点から言えばモンパルナスタワーはとても素晴らしいビルだということに気づけるかもしれません。