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2012年スタートの固定価格買取制度、その後の価格推移は?

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再生可能エネルギーの固定価格買取制度は、太陽光発電等によって生み出された再生可能エネルギーを、固定価格で一定期間、電力会社へ売電することができる制度です。

 

2012年からスタートしたこの制度において、固定価格の高さから多くの太陽光発電事業者が参入してきました。また、価格は一年ごとに見直されており、年々低価格化しています。その価格差を利用して高い価格のうちに参入しようという発電事業者の動きもあり、再生可能エネルギーの普及に勢いが出始めました。

 

それでは、買い取り価格は具体的にどのよう推移していき、そしてどのように決められるのでしょうか。今回は太陽光発電のケースを中心に、その実情を紹介したいと思います。

 

※2016年度のデータを追加し更新しています。

 

 

太陽光発電の買い取り価格推移

2012年にスタートしてから2016年までの太陽光発電の買い取り価格は次のように推移しています。(2016年度は2017年3月までの期間となります)

 

  • 下表の10kW以上というのは工場や集合住宅などに向いた大型の太陽光発電が対象となります。
  • 10kW未満は一般の住宅用太陽光発電になります。
  • 10kW未満(ダブル発電)とは、太陽光発電とその他の発電システム(ガスの活用や蓄電池など)を組み合わせた形態を指します。

 

【太陽光】

 

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
10kW以上
買取価格 40円+税 36円+税 32円+税 29円+税(*1) 24円+税
買取期間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間
10kW未満
買取価格 42円 38円 37円  33円(*2) 31円 (*2)
買取期間 10年間 10年間 10年間 10年間 20年間
10kW未満(ダブル発電)
買取価格 34円 31円 30円+税  27円(*2)  25円(*2)
買取期間 10年間 10年間 10年間 10年間 20年間

(*1)2015/7/1~ 調達価格は27円+税となる。

(*2)出力制御対応機器設置義務のある北海道電力・東北電力・北陸電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力の需給制御に係る区域において、平成27年4月1日以降に接続契約申込が受領された発電設備では価格がそれぞれ2円多い金額となる。

(経済産業省資源エネルギー庁ウェブサイト『なっとく!再生可能エネルギー』を参考に作成)

 

この表からも明確であるように、買い取り価格は一年ごとに数円ずつ低下しており、特に大型の太陽光発電の下落幅が大きいことが分かります。また、2012年当初から太陽光発電事業者にとって有利な価格となっています。

 

 

その他の再生可能エネルギーの買い取り価格推移

固定価格買取制度では太陽光のみならず、風力、水力、地熱、バイオマス等の再生可能エネルギー源も対象にしています。それぞれの価格も見直が行われますが、2012年度から2016年度まで変化が見られません。再生可能エネルギー源ごとの買い取り価格は以下のようになっています。

 

【風力】

 

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
20kW以上
買取価格 22円+税 22円+税 22円+税 22円+税 22円+税
買取期間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間
20kW未満
買取価格 55円+税 55円+税 55円+税 55円+税 55円+税
買取期間 20年間 20年間 20年間  20年間 20年間
洋上風力
買取価格 36円+税 36円+税 36円+税
買取期間 20年間  20年間 20年間

 

【水力】

 

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
1,000kW以上30,000kW未満
買取価格 24円+税 24円+税 24円+税 24円+税 24円+税
買取期間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間
200kW以上1,000kW未満
買取価格 29円+税 29円+税 29円+税 29円+税 29円+税
買取期間 20年間 20年間 20年間  20年間 20年間
200kW未満
買取価格 34円+税 34円+税 34円+税 34円+税 34円+税
買取期間 20年間 20年間 20年間  20年間 20年間

 

【地熱】

 

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
15,000kW以上
買取価格 26円+税 26円+税 26円+税 26円+税 26円+税
買取期間 15年間 15年間 15年間 15年間 15年間
15,000kW未満
買取価格 40円+税 40円+税 40円+税 40円+税 40円+税
買取期間 15年間 15年間 15年間 15年間 15年間

 

 

【バイオマス】

 

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
メタン発酵ガス
買取価格 39円+税 39円+税 39円+税 39円+税 39円+税
買取期間 20年間 20年間 20年間 39円+税 39円+税
間伐材等由来の木質バイオマス
買取価格 32円+税 32円+税 32円+税 40円+税(*3) 40円+税(*3)
買取期間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間
一般木質バイオマス農作物残さ
買取価格 24円+税 24円+税 24円+税 24円+税 24円+税
買取期間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間
建設資材廃棄物
買取価格 13円+税 13円+税 13円+税 13円+税 13円+税
買取期間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間
一般廃棄物その他バイオマス
買取価格 17円+税 17円+税 17円+税 17円+税 17円+税
買取期間 20年間 20年間 20年間 20年間 20年間

(*3)ただし、間伐材等由来の木質バイオマス 2,000kW以上の場合は32円+税となる。

(経済産業省資源エネルギー庁ウェブサイト『なっとく!再生可能エネルギー』を参考に作成)

 

 

買い取り価格はどのように決定される?

太陽光発電の場合、買い取り価格が一年ごとに変化していますが、そもそも買い取り価格はどのように決まるのでしょうか?買い取り価格は、経済産業省の調達価格等算定委員会による見解をベースに、経済産業大臣が決定します。

 

買い取り価格の算定方針としては、発電事業が効率的に運営されたことを仮定し、そのために必要となるコストや適正な利潤を計算することで決定されます。実際に、太陽光発電システムが広く普及するに従い設備の市場価格が低下することが見込まれるため、その見込分も価格に反映されます。

 

なお、太陽光、風力、地熱など、電源の特性に応じて買い取り価格が計算されます。

 

 

まとめ

以上のように、固定価格買取制度における太陽光発電の買取価格は、年々低下する傾向にあります。今後も、固定価格買取制度を先行したドイツの事例を参考に制度変更も行われ、また価格水準も変わっていくことでしょう。

 

制度変更の内容とともに価格推移も合わせてチェックすることは、リスクを抑えた太陽光発電事業の推進に不可欠であると思われます。今回の記事がそのための一助となれば幸いです。

 

 

 

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2016/06/14

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