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オール電化の普及率、現在とこれからの見通し

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給湯、暖房、調理など、家庭の熱源をすべて電気でまかなうオール電化。

 

以前は家庭の熱源としてガスが多く使われてきましたが、火を直接扱わない安全性や、光熱費を電気代に一本化できること、さらに割安な夜間帯の電気を使用することで電気代を下げることができるなど、オール電化の持つ数々のメリットが認知されました。

 

オール電化が始まった当初は、温水タンクの問題や火力の問題など、ガスの便利さにはかなわないという声がありましたが、その流れも徐々に変わっていきました。

 

そして、2000年頃からオール電化の普及が始まりました。

 

しかし2011年、東日本大震災が起こったことで日本における電力供給事情が変化しました。地震が起きた当日は、電気が止まったことで、エスカレーターや電車が止まり、生活に大きな影響を与えました。また、化石燃料費の向上によって電気代が上昇したことや、人々の節電意識が向上したことにより、オール電化の普及の伸びが減少したかに見えました。

 

しかしその後、オール電化の持つ様々なメリットが見直され、さらに2016年からの電力前面自由化を目前に再び注目を浴びるようになってきました。

 

そこで、この記事ではオール電化の普及率について、近年のデータと合わせながら今後の見通しを見ていきたいと思います。

 

 オール電化普及率の現状と見通し

株式会社富士経済の調べによると、2010年度末のオール電化導入戸数は436万戸で全体の8~9%、2011年度末は485万戸で約10%近くとなっています。

 

この時点で、おおよそ住宅10戸につき1戸がオール電化住宅と言えます。

 

2011年に東日本大震災が発生したことを受け、オール電化の普及率の伸び悩みが見られたようですが普及自体は進んでいるようです。この時に、普及が伸び悩んでいたのは、人々の節電意識や電気代の値上がりなどが原因と説明しましたが、エコキュートなどの機器の生産に影響が出ていたことも一つの理由です。

 

確かに東京や関東では、節電意識などが高まりましたが、その他地方では関東地方ほど普及が落ち込むことはありませんでした。

 

同社の調べによると2013年度には562万戸がオール電化を導入しており、2025年度には1000万戸を上回ると予想されています。
つまり、2025年度にはオール電化普及率が20%を越えるようになり、おおよそ5戸に1戸がオール電化住宅という住宅事情へ変わる見通しです。

 

 オール電化普及率の地域ごとの違い

上記の普及率は全国でみたものですが、それでは地域ごとの普及率に違いはあるのでしょうか。

ここでは、平成22年に東京電力が出した資料『低炭素社会構築に向けた電化推進と課題』から見てみます。

同資料によれば、地域ごとのオール電化普及率は2009年時点では以下のようになっています。

 

引用

 

北海道エリア:6.4%

東北エリア:5.1%

関東エリア:4.2%

北陸エリア:17.5%

中部エリア:8.4%

関西エリア:9.3%

中国エリア:14.5%

四国エリア:12.4%

九州エリア:11.6%

沖縄エリア:4.0%

(出典:東京電力 平成22年『低炭素社会構築に向けた電化推進と課題』)

 

以上のように、オール電化の普及率が相対的に高いのは、北陸、中四国、九州エリアのようです。

 

逆に、関東や関西エリアといった大都市圏においてオール電化の普及率が相対的に低いようです。

 

分譲マンションでは普及が伸び悩み

関東や東京都心で、オール電化の普及が進んでいないのは住宅事情が関係しています。オール電化の普及が進んでいるのは、一戸建てが多く、分譲マンションではまだまだ進んでいないのが現状です。東京や関東は分譲マンションが多いため、このような統計となっていると考えられます。

 

分譲マンションの場合、オール電化にすると機器の購入などに莫大な必要がかかります。特に、お湯を温めて、保管しておくエコキュートの寿命について心配する声があります。エコキュートは約20年の寿命と言われていますが、エコキュートが販売されてからまだあまり時間が経っていません。一般的に電子機器の寿命が10年だと考えると、20年は少し長いと思われます。

 

もし、このエコキュートが想定の20年もたなかった場合、買い替えが発生します。分譲マンションの部屋数を考えると、機器の費用や工事費用など莫大なものになってしまいます。

 

また、ガスに慣れた人からすれば、火力は気になるところです。IHクッキングヒーターの火力は、火と比べれば物足りなさを感じてしまいます。オール電化の分譲マンションとして建設してしまうと、ガスに戻すことができません。オール電化の火力やエコキュートなどのデメリットを心配する人は、必ずいるため、ガスにしておいた方が無難なことは間違いないでしょう。

 

逆に、一戸建ての場合、家を建てる際に自分で選択をしてオール電化にすることができます。様々なメーカーの機器を見るチャンスもあり、納得した上でオール電化にしているはずです。また、太陽光パネルの設置などで電気代を抑えることもできるので、一戸建てでは普及が進んでいます。

 

 オール電化普及をけん引する要因

今後、オール電化の普及率が向上することが見込まれていますが、その大きな要因は何でしょうか。関東や東京では、普及が進んでいませんが、全国的に見れば徐々に普及が進んできています。オール電化のメリットを確認しながら、今後も普及していく可能性を探っていきましょう。

 

ガスより安く使える

オール電化の一番のメリットは、ガスよりも安いということです。ガスは、お湯を沸かしたり、料理に使ったり、毎日の生活で欠かせない役割を持っています。

 

そのため、使う頻度が多く、オール電化に変えることで費用対効果があります。例えば、エコキュートを活用し、電気代が安くなる夜にお湯を沸かしてためておくことができます。

 

ガスよりも安全

ガスを使う時は、常に注意をする必要がありますよね?特に、ガス漏れは目に見えない脅威として、注意が必要です。

 

オール電化なら、IHクッキングヒーターを使うことができますので、コンロを使う必要がありません。

 

また、ガス漏れや火を使う必要がないということは、震災の際にとても安全です。地震が起きた時の大きな被害の一つとして、火災があります。特に阪神淡路大震災の時は、火災がひどかったのを覚えていますでしょうか?

 

阪神淡路大震災が起きた時間帯は、お昼の時間でした。もちろん、お昼ご飯を作っていた人もいるでしょう。地震の影響で、火が飛び移ったり、棚から落ちたものが火の中に入ったり、二次災害につながったケースもあります。

 

オール電化なら、火を使う必要がないため、突然の地震などでも火やガスが火災の原因となることを防ぐことができます。

 

電力小売全面自由化で競争が激しくなる

2016年から一般家庭にも電力自由化が始まりました。

以前は、地域の電力会社と契約して電気を使用してきましたが、これからは事業者を選んで契約し電気を購入する時代になります。今まで電気に関係のなかった大手企業も参入を決めており、これから事業者間で競争が生まれることが予想されます。

 

そうなってくると、今まで以上に割安な電気を利用できることが期待されます。ガスを使っている場合は、このメリットを大きく受けることはできませんが、オール電化なら、電気代が安くなります。

 

 太陽光発電システムの普及

電力小売全面自由化とともに普及が期待されているのが、太陽光発電システムです。

 

太陽光発電システムとは、太陽光パネルを家の屋根につけて、太陽のエネルギーを電気に変えるシステムのことです。ここで発電した電気は、家庭用に使うこともできますし、電力会社に販売することもできます。

 

最近では、新しく家を建てる時は太陽光パネルをつけることが、トレンドとなっています。また、空いた畑や土地を活用するために、太陽光パネルをおく人も出てきました。こういった時代の動きもあり、太陽光パネルをつける家が増えたことで、太陽光システムの値段も徐々に下がってきている傾向にあります。

 

また、太陽光パネル以外にも、水力や風力、地熱発電など今後も新しい技術の研究が進んでいくでしょう。発電は、徐々に身近な存在になってきています。

 

これからの時代、自分の家で使う電気は、自分の家で発電をするようになるのではないでしょうか。

 

このように、電力を活用する選択肢が増えることも、オール電化普及率の上昇に寄与すると思われます。

 

 まとめ

以上で見たように、オール電化の普及率は年々上昇してきており、費用の安さや安全性から、今後もさらに普及率が上がる見込みです。また、電力小売全面自由化や太陽光パネルも普及の後押しをしていくと考えられます。

 

地域別に見れば、関東や東京では、普及が進んでいませんが、地方では今後も普及が進んでいくでしょう。しかし、オール電化向けのサービスや新しい発電方法が、今後次々と現れることで、その違いもまた変わってくるでしょう。

 

今後、ご家庭の熱源として全てを電気でまかなうか、それともガスの助力も活用するか迷われるかもしれません。オール電化は、徐々に浸透していますが、エコキュートや火力の問題など、デメリットもまだ存在しているので、しっかりと吟味することが大切です。その時には、オール電化の業者だけではなく、友人や親戚で使っている人がいれば、アドバイスを求めるのがいいでしょう。

 

その際に、オール電化の普及率という今後の住宅事情を念頭に置いて頂くことも有益だと思われます。

2017/02/27

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