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実現も近い!? 北海道で始まった水素社会への第一歩

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北海道では、電力を利用して水を電気分解し水素を製造・貯蔵するプロジェクトが始まっています。
これは「Power to Gas」と呼ばれおり、電力の安定供給を目指しています。
北海道には、風力、太陽光などの発電設備がありますが、天候などにより安定的に発電できません。
そのため電力会社の送電網に電力を供給できない事態が想定されています。
この事態を想定し、水から水素を製造し、その水素を燃料として使うことが考えられています。

水素は液化することにより輸送可能となります。それを首都圏に輸送することも視野にいれているそうです。
今日は、その「Power to Gas」について紹介します。

 

「Power to Gas」の特徴とは?

再生可能エネルギーで発電した余剰電力を使用し、水を電気分解し水素を製造します。
その水素を貯蔵し燃料として使用します。ここで一番難しいのが水素を貯蔵することです。水素を貯蔵する技術では、千代田化学工業建設が先行しています。同社は有機ハイライドと呼ばれる方法で水素液化技術を検証しています。
この方法では、ガソリンの主成分であるトルエンを水素と混合し液化します。
北海道では、製造した水素を首都圏に輸送する「グリーン水素供給モデル」を目指しており、さまざまな検証が進められています。
2020年までにオリンピックが開かれる東京湾岸地域に水素を供給するサプライチェーンを確立する予定です。

 

「Power to Gas」は道内に恩恵をもたらす

このプロジェクトでは、北海道の白糠町に水力発電所を建設し、発電した電気から水素を製造します。水を電気分解し一日1000立方メートルの水素を製造できるそうです。
製造した水素はトレラーで周辺の温水プールや酪農場などへ運び、燃料電池で電力や温水を供給します。寒さの厳しい北海道では冬の消費電力が大きいことから燃料電池は大いに役立ちます。環境省が効果を検証するために補助金を出しています。
北海道ではバイオマス、風力、太陽光など再生可能エネルギーによる発電が盛んです。しかし、道内の電力需要は小さく、送電網に限界があるため電力が余ってしまいます。
そこで、水素を首都圏など電力需要の高い地域に輸送することができれば、雇用の創出や新産業の創出につながります。
この「Power to Gas」プロジェクトは産学連携を図るために、「北海道水素イノベーション推進協議会」が設置されました。

北海道水素社会実現戦略ビジョンは「北海道全体の水素社会の在り方やサプライチェーン構築」「環境産業の育成や振興」「低炭素で安心安全な地域づくり」を3つの柱としていくものです。

このプロジェクトを推進するため、水素の製造貯蔵グループと運搬利用グループに分けて、ワーキンググループを設置しています。2016年3月までに具体的なロードマップを作成する予定です。

 

いかがでしたでしょうか?

今回は北海道での水素エネルギーの取り組みについて紹介しました。2020年の東京オリンピックに向けて、水素社会実現に向けて取り組みが進んでいます。
北海道には広大な敷地があり、風力や太陽光発電所がたくさんあります。そこで発電した余剰電力に着目した点はすばらしいと思います。
この余剰電力で水を電気分解し水素を製造するという点ですが、水素は火気に近づけると爆発するという特徴があります。

工場などでの爆発事故をニュースで耳にします。
大量の水素爆発では、おそらく近隣住民に被害が及び、死者が出ると思われます。水素製造、貯蔵、運搬、利用の技術だけでなく、安全対策の研究も2020年までに行い、安全安心な水素社会を実現してほしいと願っています。
北海道を訪問する機会があれば、このような再生可能エネルギーを使用した発電所を見学してみるのもおすすめです。

引用: http://renewable-energy-news.net/?p=740

2016/03/04

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